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実施報告 高校生と日本語学習者のアニメーテッドラーニング―アイデアをアニメで伝える アニメとオノマトペで表現する「水」(高校生と日本語学習者ワークショップ2022)

  • 複数の文化背景を持つ18名の高校生と大学生が協力し合い、「水」という社会的にも科学的にも、ローカルにもグローバルにも考察できるテーマに対しアイデアを出し合い、目に見える話し合いをしながら、メッセージアニメを作成、発表しました。
  1. 成果:メッセージアニメーションとチームワークのプロセス
  2. 参加者の感想、アンケート回答
  3. 講師の講評
  4. 発表会参観者のコメント
  5. ワークショップの概要
    • 目的、目標、成果
    • 実施概要
    • 参加者
    • 運営体制
    • ワークの配分
    • やさしい日本語のルール
    • 当日各自準備するもの、こと
    • 事前の調べ学習(宿題)、準備すること
  6. 文字情報からメッセージアニメーションへの置き換えプロセス
    • ステップ1 事前の学び:「水」に関することを知る
    • ステップ2 ワンページャー(1ページ、プレゼンテーションのスライドのようなもの)
    • ステップ3 基礎的な学び オノマトペ、アニメ、水
    • ステップ3 基礎的な学び オノマトペを考える、見つける、探す
    • ステップ3 基礎的な学び アニメ(レクチャー)
    • ステップ3 基礎的な学び オノマトペ、アニメ(ミニワーク)
    • ステップ3 基礎的な学び 水(レクチャー)
    • ステップ3 基礎的な学び 水(クイズ)
    • ステップ3 基礎的な学び アニメ(レクチャー)
    • ステップ4 アニメの設計:文字情報から伝えたいコトを選ぶ、決める
    • ステップ5 アニメの設計:文字情報を視覚言語へ置き換える
    • ステップ5 アニメの設計:シーンの設計
    • ステップ5 アニメの設計:知的所有権等の保護
    • ステップ6 アニメの撮影とポストプロダクション
  7. ワーク4日間の進行、内容
  8. 講師と事務局スタッフのアンケート回答
  9. 主催者のふりかえり-目的達成の自己評価

1.成果:メッセージアニメーションとチームワークのプロセス

チーム1 モンスターの仲間達

    • メンバー:(リーダー)カロそうヤエル
    • タイトル:モンスターを助けるには?
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チーム 2 ファンタスティック4(ファンタスティックフォー)

    • メンバー:ゆうかザザさいさんノノ
    • タイトル:時をかける水
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チーム 3+4 Bai lan(バイラン)

    • メンバー:クリスティーナカエキしんいちエンかくかのか
    • タイトル:ゴミ循環
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チーム 5 unir ses forces(ユニセフォルス)

    • メンバー:二リマアレクサうさんEmzyじょさん
    • タイトル:Better Water, Better Life より良い水、より良い生活
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2.参加者の感想、アンケート回答

≪困ったこと≫

  • 日本の高校生
    • やさしい日本語はむずかしいなと感じた。(1日目)
  • 日本在住の大学生
    • みんながもっと積極的に発言できるといい。
  • 日本の高校生
    • たまに、難しい言葉が出てきてわからなくなることがあった。(1日目)
  • フランスの大学生
    • チームの話し合いでわからないことが多かった。(1日目)
  • フランスの大学生
    • グループディスカッションは難しいと思った。 日本語のレベルが低いので、チームメイトのことを理解したり、返事をしたりすることができなかった。答えるにはGoogle翻訳を使用するが、時間がかかりすぎることがよくある。(1日目)
    • 理解に苦しむので、チームディスカッションが難しい場合がある。でも今回はチャットを使ったので、最終的には情報を共有することができた。みんなが忍耐強く、思いやりがあり、少なくとも私は不快に感じない。(2日目)
    • 簡単とは言えないが、大変でもいい経験だと思う。 最終的に、私は少しコミュニケーションをとることができた。それは私にとってすでにポジティブだ。私のグループに日本語に慣れている人がいて、会話を盛り上げることができるのは良い。(2日目)

チームのメンバーに伝えたいこと、チームワークについて

チーム1 モンスターの仲間達

  • みんなでコミュニケーションを取ろうとしたときは 感動した。(2日目)
  • みんなは積極的に自分のすることができる事を提出して、今度の活働に対して自分の私的な時間を捻出してグループ活働のために更に精力を投入したと思う。とても楽しかった。(3日目)
  • みんなと出会えて嬉しい。(4日目)
  • ゆーさんとの話し合いは楽しい。チームのリーダとしてとても優しい。(1日目)
  • ヤエルさんが考えた物語はとても面白いから、チームの話し合いが楽しかった。(2日目)
  • チームの話し合いは楽しかったけど、時間があまりなかった。(1日目)
  • 一緒に手分けして、いいアイデアを考えたから、チームの話し合いが楽しかった。(2日目)
  • コミュニケーションが難しい時もあったが、グループのメンバーはとても協力的で、丁寧に対応してくれた。それぞれが貢献して、とても面白く、質の良いアニメーションを作ることができた。一緒にワークしてくれて、本当にありがとうございました。(4日目)
    • Même si la communication était parfois difficile, les membres de mon groupe ont été très compréhensifs et attentifs. Grâce au travail de chaque personne, nous avons pu réaliser une animation très intéressante et de bonne qualité. Merci beaucoup pour ce travail en commun !
  • 先生方/主催者はとても親切で丁寧な対応をしてくれた。コミュニケーションが難しかったが、英語に翻訳して、考えが理解できた。すべての説明(水、アニメーション制作など)がとても役に立ち、興味深かった。(4日目)
    • Tout les professeurs/organisateurs ont été tous très gentils et attentifs. Malgré le fait que la communication était parfois dure, ils ont su traduire en anglais et nous faire comprendre au mieux leurs idées. Toutes les explications (sur l’eau, sur la production d’animation, etc) étaient très utiles et très intéressantes ! Merci beaucoup pour votre attention !
  • チームのみんなへ:最初は大変だと思ったけど、わたしたちはよくやったし、成果を本当に誇りに思う。このアニメーションは大切に保管する。(4日目)
    • To my whole team: even though it seemed tough at first we did great and i’m really proud of the result. I’ll keep the animation preciously.
  • とても良い経験で、とても良い思い出になった。他のチームの人たちと知り合う機会が少なかったので、もっとみんなで話し合ったらよかった。(4日目)
    • It was a nice experience and i keep a very positive memory of it. Maybe it would have been nice to discuss more all together because I feel that I didn’t really got the chance to know the persons in the other teams.

チーム2 ファンタスティック4

  • スムーズに話し合いが進んだから、チームワークがとても楽しかった。(3日目)
  • ノノさん、ザザさん、さいさんが進んでアイデアを出してくれたり私が考えが止まっているときにサポートしてくれてとても嬉しかった。みんなでアニメーションを作れたのがとても楽しかった。(4日目)
  • 四日間ありがとうございました。スーさんが的確なアドバイスをくださったりグループ内での話し合いの際に円滑に進めてくださって助かった。とても楽しかった。(4日目)
  • みんなはすごい。ありがとうございます。(4日目)
  • リーダーのゆうかさんはとても親切で、わたしたちの考えを理解し、話を聞いてくれた。(1日目、2日目)
  • チームの話し合いが楽しかった。わたしたちはみな好きだった(1日目)

チーム3+4 Bai lan

  • 自分の意見をメンバーと共有できたから、チームの話し合いが楽しかった。(1日目)
  • チームの人とたくさん話すことができたから、チームの話し合いが楽しかった。(2日目)
  • みんなが作業しているところが見れて楽しかった。(3日目)
  • クリスティーナさんはとても明るかったから、自分の気持ちも明るくなった。(1日目)
  • チームの話し合いはとても楽しかった。最初は自分の考えを伝えられなかったが、言ってみた後で、みんなは全員いいと思ってくれて、楽しかった。(2日目)
  • チームの人数が少なかったからこそ色んな話が聞けた。(1日目)
  • 色々話し合って決められたから、チームの話し合いが楽しかった。(2日目)
  • かのかさんは一緒に討論した時、私の話しをちゃんときいてくれた。とても感謝している。これからの三日間楽しみにしている。(1日目)
  • クリスティーナさん:ゆっくり日本語を話してくれた、本当にありがとう。(2日目)
  • かくさん:チームネームについてのアイデアがすごく面白い。(3日目)
  • みんなはすごい。ありがとうございます。(4日目)

チーム5 unir ses forces

  • みんなはそれぞれの地域の水について話したことは楽しかった。私のチームはすごく優しくてもっと一緒に話してみたい。(1日目)
  • みんなでどうゆうふうにアニメーションを作るかを話し合った。メンバーのみんなからたくさんの意見が出てすごく楽しかった。(2日目)
  • チームのみなさんこの数日間本当にありがとうございました!(4日目)
  • じょさんがよくて、チームの話し合いが楽しかった。(1日目)
  • 二リマさんがよくて、チームの話し合いが楽しかった。(2日目)
  • みんなよくて、チームの話し合いが楽しかった。(1日目)
  • 二リマさんとひとさんとの話し合いが楽しかった。(1日目)
  • みんなすごいと思う。(2日目)
  • お疲れさまでした!どうもありがとうございました。(4日目)

参加者のアンケート回答

  • 4日目の参加者アンケートより、一部編集
  • Q 発表会はどうでしたか?
  • Q チームのふりかえりはどうでしたか?
  • Q 翻訳アプリなどを使いましたか?(4日目、これまで)
  • Q チャットなどで、文章やイラストなどで説明をしましたか? (4日目、これまで)
  • Q メッセージアニメは期待通りにできましたか?
  • Q アニメで、伝えたいコト(メッセージ、アイデア)を伝えられたと思いますか?
  • Q 課題「水」は難しかったですか?
  • Q ワークショップ参加前と終了後で、考えなどがかわりましたか?(複数回答可)
    • 14名 「水」に関する考えが変わった/深まった。
    • 5名 「水」のことを勉強し続けたい。
    • 11名 「水」の問題を解決するために行動したい。
    • 14名 アニメがつくれるようになった。
    • 7名  アニメでメッセージやアイデアを伝えられると思う。
    • 5名 日本語の会話と読み書きがうまくなった。
    • 11名 多文化なひとたち、日本語話者以外とも交流したい、交流へのハードルが下がった。
    • 9名 仲間と社会的課題を考えたり、解決に取り組むのが楽しくなった。
    • 0名 その他

3.講師の講評

  • のんきさん
    • モンスターの仲間達について
      • たいへん絵が上手。各シーンが充実。素晴らしい。特に、水の悪い部分をモンスターとして描いたのがおもしろい。
      • モンスターの見た目、水の透明感とモンスターらしさ。なにか憎めない感じのキャラクターデザインがとても良かった。
      • 短い時間で、しっかりした構成でストーリーがつくれたのが素晴らしい。
      • 個人的には、オノマトペの「プラッチ」がおもしろかった。
    • ファンタスティック4について
      • 物語の構成がしっかりしてわかりやすい。また過去と現代をレイアウトや色の差で表現しているところもとても効果的で伝わりやすかった。
      • キャラクターが目立つようにきれいに撮影できているところもよい。
      • オノマトペもたくさん考えられていた。
      • 素材の少なさをカバーする工夫(表情の差し替え、テキストのモーション)ができているところも素晴らしい。
      • 頭と体を別に作って、表情のほかに頭や体の動きを加えるとさらに魅力的な作品になったかと思う。
    • Bai lanについて(ファシリテーターとして話し合いをサポートしたチーム)
      • 全体的にみると、主題は「水を汚さない」というのは各チーム共通していたが、その中で何を伝えたいかがチーム毎に違い、それぞれの個性あふれる表現方法で作れたのがとても良かった。
      • 中国、日本、フランスとことばの壁はあったが、みんなが明るくて、笑って問題解決しようという雰囲気が良かった。エンマリさん、はるちゃんに(フランス語、中国語の通訳で)たくさん助けてもらった。3日間続けて、ハードルを越えながら、終えることができたのが素晴らしい。
      • アニメーションの手法は、対面ならコマ撮りアプリStop Motion Studioを1つ使い、その方法だけでやるが、今回はデジタルのドローイングでアニメーションするとか、一か所に集まっていたらやらなかったような手法も見られて、リモートの良さが出たと思う。
      • エンさんは絵が苦手と言っていたが、絵も日本語もチャレンジしたのが偉い。成長したと思う。
      • クリスティーナさんは、みんなのすごいところを見つけられるのがすごい。
      • 観察することで、自分の栄養にもなる。とても良かった。
    • Unir ses forcesについて
      • 背景の切り紙が美しい。
      • 離れたところにいたが一緒に作ったのを感じさせないくらい、素材をしっかりとシェアしてチームワークができていたのに関心した。
      • とても素晴らしかった。
  • スーさん
    • ファンタスティック4について(ファシリテーターとして話し合いをサポートしたチーム)
      • 難しさはあった。一番難しかったのは、ことばの問題。日本語レベルがバラバラで、わたしが入らないとコミュニケーションができない状態。最初はアニメはつくれないと思ったが、みんなが積極的に参加した。
      • 同時に1つをつくるのではなく、ストーリーボードをノノさんとザザさんが描き、さいさんが作画と撮影、ゆうかさんが編集とサウンドを担当し、リレー式に作品をつくった。
      • ひとりひとりがつくると、少しずつ解釈が違うのがわかり、それを見るのもすごく楽しく、思った以上の結果が出て満足している。
      • さいさんは作画などで一番時間を使ってくれた。しっかりしているので高校生と思ったら、中学生でびっくりした。
    • Bai lanについて
      • オノマトペを適切に使っていた。効果音も適切に入れることで、アニメを楽しくした。
    • Unir ses forcesについて
      • 人びとが良いことをしていない時は色が暗く、良いことをし始めたら明るくなり、全体的に明るくなるが伝わって良かった。
  • はせさん
    • 全体について
      • このワークショップの課題の1つはことばだった。
      • 住んでいる世界が違う人たちがみんなで協力してアニメーションを作った。
      • テーマの「水」、普段は意識していないと思うが、こころの中に「汚いものをきれいにしないといけない」とか、「循環が大事」と、根本を気づくきっかけになったと思う。
      • これをきっかけに、自分が住んでいるところの水、住んでいないところの水を考え、もっともっと「水」を良い循環にもっていってほしい。
    • 参加者、参観者全員へ
      • 私たちの暮らしだけでなく、この星の生物や物質・熱の循環にも必要な「水」。
      • 太陽のエネルギーと、重力の作用によって絶えず循環する「水」は、多くの恵みをもたらしてくれますが、付き合い方を間違えてしまうと、災害となり、私たちの命を奪うこともあります。
      • このワークショップでは、異なる地域に住んでいる皆さんが、より良い「水」環境を次世代に残すために、色々と考え話し合ってくれました。
      • 各チームのメッセージを、アニメーションから感じていただき、少しでも自分にできることについて、改めて考えていただけますと幸いです♪
    • モンスターの仲間達について(ファシリテーターとして話し合いをサポートしたチーム)
      • カロリヌさんは、シーンが変わっていく中で、みんなの心の表現、環境をうまく音で表現した。
      • ゆさんが発表会にいなくて残念。慣れない中で、いろいろな国から集まったチームをまとめてくれたゆさんに、チームのみんなから拍手で讃えましょう。
  • ひとさん
    • Unir ses forcesについて(ファシリテーターとして話し合いをサポートしたチーム)
      • 日本語レベルが分かれていて、話し合いではリーダーの二リマさんは戸惑ったと思う。
      • アレクサさんが絵で提案して、話しが展開し始めた。
      • 主人公の父の会社が川を汚す原因をつくっていたが、父とその同僚が川を汚さない設備をつくろうと、ボランティアの活動だけでなく、企業活動も環境保全に大事であると、じょさんが提案した。
      • じょさんは、ワンページャーで北京の水のことを調べた。上流がきれいで、下流が汚い。そのアイデアがみんなのアニメーションのスタートになったと思う。
      • エマさんもデザインで活躍してくれた。Slack交信で書く日本語がとても良かった。
      • うさんは絵は苦手と言っていたが、シーン3と4を作ってくれた。
      • うさんが、選んだ音楽が良かった。初めは暗くて、最後は明るくなる。その音楽を二リマさんがアニメに編集した。よいコンビネーションだった。
      • みんなバラバラに住んでいるが、アレクサさんが最初に出した切り絵の背景を、みんなで上手くシェアしながら、ひとつの世界観を作れた。それが見るひとに伝わったと思う。
      • 発表では、ニリマさんががんばってくれた。
      • 発表をみんなが日本語でできて良かった。みんなが力を合わせた。クリエイティブなところが良かった。

4.発表会参観者のコメント

参観者コメント 参加者へコメントや激励

  • KA
    • 素晴らしかったです!
    • 3カ国離れてのチーム結成は、今となっては普通にできることでしょうが、それでも難しかったと想像します。
    • 言語の壁、距離の壁、考え方の壁を乗り越えての作品、感動しました!
    • (チームの成果発表は)発表者が率先して堂々としていたところが良かったです。
  • FY
    • アイデアや表現を出し合って作品をつくるプロセスでは、悩んだことも、苦しかったこともあったと思います。
    • それでも「楽しかった!」と言えるみなさんは、本当に素晴らしいです!
    • みなさんは、新しい学びの世界の経験したのだと思います。新しい学びの世界に飛び込んだ勇気、あきらめない心、伝え合う努力、協力する力、自分の役割をみつけて貢献する力。
    • この経験から多くを獲得したはずです。心からの拍手を贈りたいです。おめでとうございます!
  • BN
    • 言葉があまり通じなくても、一つのゴールに向かってチームで何かが作れるというのは素晴らしいことだと思いました。
    • みじかい時間で、つたえたいメッセージを チームで見つけること。つたわる形、アニメにすること。
    • それが できたんですね。すばらしいです。
    • 国や一人ひとりの違いをこえて、一つの事、ゴールに向かって、知らない人とコラボレーションをすること。それが できるなら、未来は明るいと思いました。
    • (チームの成果発表は)チームメンバーが自分たちで発表しているのがとてもいいと思いました。
  • LY
    • あっという間の一時間でした。どうもありがとうございました。
    • 私も久しぶりにコマどりアニメーションをつくろうかなぁと思いました。
    • 短期間でこれほど素晴らしい作品が出来上がるだなんて、本当にすごいです。お疲れさまでした!
    • (チームの成果発表は)コトバの壁があるみなさんが、一生懸命アイデアを出し合って伝えたいことをアニメーションにしてくれたことが伝わりました。作品をみるだけでなく、自分の言葉で難しかった点や良かった点を話してくれたのも良かったです。アニメ―テッドラーニングの可能性を新たに実感しました。
  • NY
    • お互いに離れた場所で日本語を母国語としない人が日本語を中心にコミュニケーションをとり作成したアニメーションの完成度の高さに驚いています。
    • (チームの成果発表は)各チーム、訴えるテーマが明確で、そのテーマについて、どう表現するかの工夫を見ることができました。

参観者コメント 全体について

  • PN
    • いろいろなアニメーションが見られた。
    • 関心したのは、テーマがあり、それが目標になり、ツールが一緒で、伝えたいコトと伝える方法が共有できたら、ことばができなくても、ひとつのものができ上る。こういう体験ができたことが羨ましい。
    • 単に「水」をテーマでディスカッションしなさいと言う以上に、アニメーションを使い、どうやって人に伝えたいかを話し、チームとしてどうしたいかを話し合えた、その成果がみんなで楽しめるものになったのが素晴らしい。
    • 短いアニメーションから大きなテーマについて考えさせられたし、それができあがるまでのチームの協力が想像できました。みんなのユニークなタレントと視点が重なり合って、こんなに豊かなアニメーションができるのだと感心しました。ありがとうございました。
  • UK
    • グループの名前とアニメのタイトルにも、メッセージがあって、アニメを見る前からどんなグループなのかな?どんな作品なんだろう?と興味がわきました。
    • 私は若くないせいか、動画のスピードに目がついていかなかったところもあったので、作品を3回ぐらい見たかったです。
    • 動画(静止画とは違う!)、効果音、音楽、+言語という何層ものチャンネルを通じて学習者のメッセージを味わう体験がとても新鮮でした。
    • 日本語とアニメという視覚言語を軸としながら、多言語を駆使して協働するトランスランゲーングの具体的な実践例を知ることができたことも大変刺激的でした。
    • 作品自体のおもしろさもさることながら、作成過程での気づきや支援講師の視点、そして観衆からの様々なフィードバックも大変味わい深く、自分は何もしないで見て聞くだけだったのに、たくさんの贈り物を頂きました
  • BN
    • 目的があって、手法が興味を引くものであれば、すごいことが可能になるのだと思いました。
    • アニメ―テッドラーニングは本当に力を持った手法ですね。
  • FY
    • 参加した高校生、大学生の共同的な学び、関わった大人たちの学びが、深い振り返りとともに記述され、この「新しい学び方」の実態が明らかになっていくこと、それを発信されることにに大きな意義があると思います。

5.ワークショップの概要

目的

  • 本事業は参加者に次の活動の場をオンラインで提供する:
  • アニメ制作で世界的課題の理解を深め、自らのアイデアを表現、発信する。
    • 「水」の現状(課題と原因)把握、解決提案:参加者が「水」の現状を知る。自分はなにができるかを考え、話し合う。アニメ制作を工夫しながら伝えたいコトを精錬する。
    • 考えたこと、話し合ったことを物語にしてアニメとオノマトペで表現、発信する。
  • アニメとオノマトペで、ことばだけに頼らずに、多文化交流をする。
    • チームワークを「目で見える話し合い」にする。

目標

  • 主催者(アニメーテッドラーニングらぼ)と講師・ファシリテーターは次の目標を持ってワークショップをおこなう:
  • アニメで表現・発信すること、多文化交流することで、本ワークショップ参加前と参加後で、自分の意識がどのように変わったかを参加者本人に自覚させる。
  • 上記目標を達成するために、主催者は講師・ファシリテーターと共に、参加者がアニメ制作・発信で「自分の意識」を探り、「学び」を意識できるプログラムとファシリテーションを考案し、実施する:
  • 事前の調べ学習(宿題)、ファシリテーション(ワークでの声掛けや問い掛けでの支援)、ワークシートなどを研究、改善する。
  • 「水」(治水、利水、環境)の情報を提供する。
    • 情報提供&講師を迎える。
  • レクチャーは極力なくし、ミニワーク、ゲーム、参加者同士の情報共有で「学び」を徐々に深める。
    • ミニワーク:アニメ制作の技術に慣れる。コマ撮りアプリ操作、文字を絵に置き換える(4画面物語)、シンプルな絵とオノマトペで〇〇を伝える、など
    • ゲーム:10分エクササイズ-視覚言語感覚を身につける、自分のことば(日本語以外、方言、仲間内のことば)で新しいオノマトペをつくる「〇〇を表すオノマトペ」、水に関する知識・情報
    • 参加者同士の情報共有と話し合い:チームリーダー中心、講師・ファシリテーターは補佐。
  • Slackのチームチャンネルを参加者に活用させる。

成果

  • (1)と(2)の合体表現とする:
    • (1) アニメとオノマトペでメッセージを表現する。※アニメの長さは2分以内とする。
    • (2) 水(治水、利水、環境):参加者に身近な「水」、世界的課題の「水」、水から派生する課題。

実施概要

日時ワークショップ1日目 2022年12月27日(火)
ワークショップ2日目 2022年12月29日(木)
ワークショップ3日目 2023年1月8日(日)
ワークショップ4日目 2023年1月15日(日)17時~18時 リハーサル/18時~発表会
日本 17時、GMT8時/1回、3時間 +30分の調整余地
会場オンライン開催
主催アニメーテッドラーニングらぼ(ALLjp)
協力文化学園大学 文化・住環境学研究所、造形学部ー共同研究
アニメーテッドラーニングにわくわくしている日本語教師グループ(「AWN」) 
助成令和4年度子どもゆめ基金 子ども体験活動(独立行政法人国立青少年教育振興機構)
対象と募集●高校生(日本在住者で日本語ネイティブ)
●在外の日本語学習者(中学生から大学生くらいまで)、日本在住の日本語学習者(外国出身者)。
●募集期間2022年10月下旬~12月上旬。募集は主にネットでおこなった。告知サイト>>
●定員16名。グループ参加も可とした。
チームリーダー募集サイト>> 11月に新設して、チームリーダー参加も呼び掛けた。
参加条件●日本語でやりとりができること(日常会話程度)。日本語能力試験JLPT N4以上(N3くらいの会話力が望ましい)。
●スマホ/タブレット/カメラ付きパソコンのいずれか1台以上、インターネット接続
●必要な道具や材料は各自準備。教材は各自プリンタアウト。
●参加無料。

参加者

  • 18名(高校生10名、大学生8名)
    • 日本在住 高校生4名(かのか、クリスティーナ、二リマ、ゆうか)
    • 日本在住 大学生1名(ゆー前年参加者でチームリーダー依頼)
    • 中国在住 高校生6名(うさん、カエキしんいちかく、さいさん、じょさん、そう)
    • フランス在住 大学生7名(アレクサ、エン、Emzy、カロ、ザザ、ノノ、ヤエル)
高校生WS2022_全体写真_公開加工済み

運営体制

総合ファシリテーター
事務局
浪越徳子(なみさん)
アニメーテッドラーニングらぼ 理事
当日進行、全体とチームワークの話し合い支援
アニメーション専門家荒井知恵(のんきさん)
文化学園大学造形学部 准教授、手描きアニメーター、イラストレーター
アニメーテッドラーニング共同研究者
アニメ、映像制作の指導、アドバイス、チーム3+4のファシリテーター
オノマトペ専門家ユー スギョン(スーさん)
京都精華大学マンガ学部 特任講師
オノマトペの指導、アドバイス、チーム2のファシリテーター
「水」と「石」にまつわる専門家長谷川怜思(はせさん)
八千代エンジニヤリング株式会社、東久留米・水の会
水の情報提供、アドバイス、チーム1のファシリテーター
プログラムアドバイザー長江春子(はるちゃん)
公益財団法人国際文化フォーラム(多言語・多文化交流:高校生のパフォーマンス合宿担当)
プログラム計画、中国語サポート
全体アドバイザー昼間行雄(ひるさん)
文化学園大学造形学部 教授、アニメーテッドラーニング共同研究者
特別サポーター遠藤真理(えんまりさん)
日本語指導員
フランス語サポート
プロデューサー、総監
事務局
伊藤裕美(ひとさん)
アニメーテッドラーニングらぼ 理事
全体とチームワークの話し合い支援、チーム5のファシリテーター
  • ファシリテーター:講師3名と事務局1名が1つのチームを担当。
  • チームのまとめ役(リーダー):前年参加者1名+参加者3名。
  • 技術/学びの支援・指導: 全体セッションでレクチャーをおこない、質問等に対応する。Slackチャネル「質問に答えますー講師に聞きたいこと」を設けて回答する。
  • 言語サポート:やさしい日本語+ファシリテーターと事務局が対応。参加者に翻訳アプリ等の利用を推奨。

ワークの配分

事前●事務局が参加登録者とオンラインで個別インタビュー:参加者の性格と日本語力確認
事前の調べ学習(宿題)
●身近な「水」(現状、課題や解決提案)をワンページャー(1ページのプレゼンシート)にまとめて1日目に発表
1日目
全体ワーク/
チームワーク


なかまになる、
伝えたいコトを話しあう
●オリエン:ゴール、オンラインワークのグランドルール、やさしい日本語のルール
●アイスブレイク:オノマトペ自己紹介
●オノマトペとアニメ、視覚言語表現に親しむミニワーク
●「水」のヒント出しレクチャー、3択クイズ
●チーム分け
●チームメンバーの自己紹介、「水」の3択クイズ
●ワンページャーで、各自の「水」との関わりや興味関心を発表する
  ✔ワークシート「アイデアノート①」
2日目
全体ワーク/
チームワーク


伝えたいコトをアニメにする計画
●チームで「伝えたいコト」を話し合い、決める
●ブロット(物語の筋立て)をつくる
●アニメの設計:4画面物語、イメージボードなどを考える
●担当を決める
  ✔ワークシート「アイデアノート②」
  ✔ワークシート「4画面物語」
●ミニワーク:コマ撮りアプリで撮影練習
3日目
全体ワーク/
チームワーク


メッセージアニメで伝えたいコトを表す
●オリエン:権利(知的所有権等)を守ること
●レクチャー:伝わるアニメのつくり方
●キャラクターや背景をつくる
●コマ撮りする
●ポスプロ(ポストプロダクション):シーンのつなぎ合わせ、セリフや音楽の録音・編集など
●メッセージアニメとチームで話し合ったアイデアの発信(方法)を考える
  ✔ワークシート「ストーリーボード(カット表)」

※発表会までにチームでメッセージアニメを完成させる
※チームでプレゼンスライドをつくる、発表の段取りを決める
ワーク日の間
チームワーク
●メッセージアニメの制作をリモートでおこない、発表会までに完成させる
●発表会の段取りを決めて、発表スライドをつくる
4日目
全体ワーク/
チームワーク

発表とふりかえり
●メッセージアニメ発表のリハーサル
●チームの発表
●参観者(教育関係、アニメ関係、社会活動)と講師の講評
●ふりかえり

やさしい日本語のルール

  • 次のことをやさしい日本語のルールとして、参加者と講師、事務局が心掛けるようにした:
  • はっきり、さいごまで、みじかくいう。
  • まず、結論。それから、理由や説明。
  • 伝えたいコト(だいじなコト)は書く、絵/写真/動画でしめす。
  • わからなければ、聞く!
  • 辞書、翻訳ツールも使おう!自分のことばで書いてから、日本語にしてもいい。

当日各自準備するもの、こと

  • スマホ/タブレット/カメラ付きパソコンのいずれか1台以上(できれば2台)
  • インターネット接続
  • アニメ制作に必要な道具や材料
  • 教材のダウンロードとプリントアウト
  • Zoom、Slack、Stop Motion Studio(無料版)のインストール

事前の調べ学習(宿題)、準備すること

  • 登録した参加者はSlackワークスペースに参加し、ワークショップ開始前からオンライン交流を始めた。
  • 2日目(12月29日)
    • 宿題⑦「水の写真」からおもいつく「ことば」をたくさん考える
    • 宿題⑧「水の写真」のアニメをつくるから、アイデアとオノマトペを考える
    • 宿題⑨アニメのあらすじ(プロット、plot)を考える
    • 宿題⑩2021年ワークショップの成果をウェブサイトで見る
    • 宿題⑪「ワンページャー」をSlack「チーム」チャンネルにアップする
    • 宿題⑫「アイデアノート①」をSlack「チーム」チャンネルにアップする
    • 当日の資料
  • 3日目(1月8日)
    • 宿題⑬「4画面物語(4がめんものがたり)」をSlack「チーム」チャンネルにアップする
    • 宿題⑭「ストーリーボード」をSlack「チーム」チャンネルにアップする
    • 宿題⑮制作に必要な素材・部材、サウンドや音楽を準備する
    • 宿題⑯できれば、撮影をはじめる
    • 宿題⑰メッセージアニメの拡散の方法を考える
    • 宿題⑱権利(けんり)をまもる
    • 当日の資料
  • 4日目(1月15日)
    • 宿題⑲メッセージアニメをSlack「チーム」チャンネルにアップする
    • 宿題⑳発表会の準備(はっぴょうかい じゅんび)
    • 宿題㉑メッセージアニメをひろめるアイデアを考えよう!
    • 宿題㉒1月15日 発表会(はっぴょうかい)
    • 当日資料

6.文字情報からメッセージアニメーションへの置き換えプロセス

ステップ1 事前の学び:「水」に関することを知る

  • 「水」の参考ビデオ
  • 事前の応募者インタビューで「水」の参考ビデオを観て、ワークショップ初日までに繰り返し観るように促した。
高校生WS_水のビデオ
  • 調べ学習のヒント 「水」キーワード・チャート
  • 参考ビデオ視聴や「水」に関することを調べる時に出てくる”難しいことば”を各自が調べるヒントとして下記チャートを提供した。
高校生WS_keywordchart_R5

ステップ2 ワンページャー(1ページ、プレゼンテーションのスライドのようなもの)

  • 事前の調べ学習(宿題)として、各自が「水」のテーマで作成した。
  • 1日目のチームワークで、1分間プレゼンテーションを日本語でおこなった。
  • 「水」のテーマ:
  • わたしのまわりの水、わたしのまちの水は、こんな場所で、こんな水(水の状態)。わたしはこんなふうに水と接している・・・などを紹介する。
  • わたしが考えていること(今のままの水で良い/今のままの水では悪い、もっと良くしたい、〇〇をして良くしたい)。
高校生WS_全ワンページャー

ステップ3 基礎的な学び オノマトペ、アニメ、水

  • アニメ(アニメーション)と映像制作、オノマトペの基礎的な学びは、講師のレクチャーを短めにし、ゲームやミニワークなどの実習、参加者の自主的な情報収集に委ねた。

ステップ3 基礎的な学び オノマトペを考える、見つける、探す

  • 講師:スーさん
  • 1日目 オノマトペ自己紹介
  • 好きなオノマトペを1つ、話しやすいことばで考えて or 見つけて、発表する。
  • 「水の写真」でおもいつくオノマトペを、話しやすいことばで考えて or 探して、発表する。
高校生WS_ 水の写真ABC
  • 1日目 レクチャー オノマトペとは
  • 講師が、日本語のオノマトペの特徴などを解説した。
  • 本ワークショップでは、オノマトペを広義に捉え、参加者の得意なことばのオノマトペを用いたり、参加者が創出することも促した。
  • また、 漫符(まんぷ、漫符は漫画などに特有な記号表現)のアニメ導入も評価した。
高校生WS_ユー_1日目_オノマトペ説明スライド

ステップ3 基礎的な学び アニメ(レクチャー)

  • 講師:のんきさん
  • 1日目 レクチャー コマ撮りアプリ「ストップモーションスタジオ(Stop Motion Studio)」の操作
  • 講師が、コマ撮りアプリの基本的な操作を解説した。

ステップ3 基礎的な学び オノマトペ、アニメ(ミニワーク)

  • 講師:スーさん、のんきさん
  • 2日目 ミニワーク 全体とチームワークブレイクアウトセッション
  • ビジュアルエクササイズ:「水の写真」からおもいつく「ことば」をたくさん考える。
  • コマ撮りの練習:「水の写真」の中から写真を1つ選び、家にあるモノをキャラクターにして、写真を表すアニメ(数秒)をつくる。
高校生WS_長谷川_水の写真

ステップ3 基礎的な学び 水(レクチャー)

  • 講師:はせさん
  • 1日目 レクチャー 「水」について考えよう
高校生WS_長谷川_1日目_「水」について考えよう_事前配布

ステップ3 基礎的な学び 水(ゲーム)

  • 講師:はせさん
  • 1日目 水のクイズ 全体
高校生WS_長谷川_1日目_「水」クイズ全体
  • 1日目 水のクイズ チームワーク(チームの自己紹介の一部として)
高校生WS_長谷川_1日目_「水」クイズチーム

ステップ3 基礎的な学び アニメ(レクチャー)

  • 講師:のんきさん
  • 3日目 レクチャー 伝わるアニメのつくり方ポイント
  • 講師が、アニメ撮影をはじめる前に、伝わるアニメのつくり方として演出的なコツを解説した。

ステップ4、ステップ5 アニメの設計

文字情報からメッセージアニメーションへの置き換えプロセス

  • チームワークでは、アニメ撮影をはじめる前に、アニメーテッドラーニングの文字情報からメッセージアニメーションへの置き換えプロセスに沿ったアニメの設計をおこなった。
  • 1日目のオリエンテーションで、プロセスを説明した(下図)。
高校生WS_画像_ブレストから撮影までのプロセス

ステップ4 アニメの設計:文字情報から伝えたいコトを選ぶ、決める

  • 1日目 水の関心事キーワード出し 共通点、相違点の整理
  • 各自のワンページャーからキーワードを出す。
    • 共通のワード
    • ひとりが選んだワード
    • そのほか:はせさんのヒント、話し合い、調べ学習で見つけたワード
  • 伝えたいコトはなに?
  • ブレスト話し合いのワークシート「アイデアノート①」
高校生WS_アイデアノート①
ワークシートのダウンロード(PDF)>>
http://alljp.org/c/wp-content/uploads/2023/02/Worksheet_ideanote12.pdf

ステップ4 アニメの設計:文字情報から伝えたいコトを選ぶ、決める

  • 2日目 水の関心事キーワード出し 共通点、相違点の整理
  • キーワードを整理して、プロット(あらすじ)を話し合う、決める。
    • キーワードの共通項をつなげる。
    • 新しいアイデアがあれば加える。
    • 5W1H(だれ/いつ/どこ/なに/どのように/なぜ)。
  • 伝えたいコトを話し合う。
    • アニメで伝えるメッセージ、テーマを決める。
  • イメージボード
  • 5W1H、あらすじ、伝えたいコトがわかれば、イメージボードも良い。
    • 参考:前年ワークショップで参加者が作成したイメージボード
  • ブレスト話し合いのワークシート「アイデアノート②」
高校生WS_アイデアノート②
ワークシートのダウンロード(PDF)>>
http://alljp.org/c/wp-content/uploads/2023/02/Worksheet_ideanote12.pdf

ステップ5 アニメの設計:文字情報を視覚言語へ置き換える

  • 2日目 役割、担当を決める
  • 講師・のんきさんが、制作に必要な作業と分業を説明した(下図)。
  • チームで役割、担当を決める:各自の得意なことを考えながら、役割を決めて分業する。
高校生WS_画像_分担を決める

ステップ5 アニメの設計:文字情報を視覚言語へ置き換える

  • 2日目、3日目 4画面物語:アイデアノートで整理したことを絵に置き換える(作画)
  • プロット(あらすじ)を4つ程度のシーンに分ける。
  • キャラクター、背景(バックグラウンド)を決めて、チームワークに必要な情報を書き出す。
    • デザインを決める。
    • 素材を決める。技法、撮影法を決める。
  • ワークシート「4画面物語」
高校生WS_4画面物語
ワークシートのダウンロード(pdf)>>
http://alljp.org/c/wp-content/uploads/2022/12/Worksheet_4framestory_pdf.pdf

ステップ5 アニメの設計:シーンの設計

  • 3日目 ストーリーボード:シーンの詳細設計
  • 準備するものを決める。
  • セリフ、ナレーション、テロップなどを考える。
    • オノマトペはアニメのなかに2つ以上入れる。
    • 録音する、テキスト表示だけにするか。
  • ポストプロダクション。
    • サウンドを選ぶ。
    • 編集:分業シーンのつなぎ合わせ、タイトルとエンドクレジット。
  • スケジュール:時間内に終わらせる計画。
  • ワークシート「ストーリーボード(カット表)」
高校生WS_カット表
ワークシートのダウンロード(pdf)>>
http://alljp.org/c/wp-content/uploads/2022/12/Worksheet_storyboard_pdf.pdf

ステップ5 アニメの設計:知的所有権等の保護

  • 3日目 他者と自身の知的所有権等の保護
  • 事務局が、他者が制作、公開等している著作物(アニメ、イラスト(絵)、音楽、効果音など)の利用、著作権侵害への注意喚起した。
  • フリーの素材(イラストやサウンド)サイトでも、利用規定に「改変してはいけない」とあれば、従う。改変するなら、制作者(著作者)の許可を取得する。使用料を払わねばならないこともある。
  • フリー素材サイト以外から得た著作物をアニメに入れてYouTube等や発表会で発表するには、制作者(著作者)の許可を取得する。使用料を払わねばならないこともある。
  • ワークでつくったオリジナル素材は考案者の著作物となり、考案者が許可すれば、アニメに入れて公表できる。

ステップ6 アニメの撮影とポストプロダクション

  • メッセージアニメーションのゴール(完成スタイル)を示した。
高校生WS_画像_仕上げ
  • 3日目から4日目までに、チームで決めた分担で撮影とポストプロダクションを分業してメッセージアニメを完成させた。
  • Slackでは相談や途中経過の確認が行き交い、リモートワークが活性化した。
  • コマ撮りアプリ「Stop Motion Studio(ストップモーションスタジオ)を推奨したが、2Dアニメーション制作アプリを用いた参加者もいて、講師と事務局の予想以上に多様な視覚言語で「伝えたいコト」が表現された。

7.ワーク4日間の進行、内容

2022年12月27日 1日目の進行、内容

  • なかまになる、伝えたいコトを話しあう
時間内容
17:10
10分間
オリエン1
<全体>
全体の予定、1日目の予定
グランドルール(交流のススメ)
●やさしい日本語ルール
●Zoomの機能説明
●Slack利用のススメ:チーム交流、講師へ質問
ワークショップの大ゴール
●アニメ制作で「水」の課題の理解を深め、自らのアイデアを表現、発信する 
●アニメとオノマトペで、ことばだけに頼らずに、多文化交流する
35分間自己紹介
アイスブレイク
<全体>
プロセス・ステップ3
オノマトペ自己紹介:
①得意な言語のオノマトペを1つ出して、なんのオノマトペか当てるゲーム
②「水の写真」(3枚)で思いつくオノマトペ 
  ※各自が得意な言葉 or 日本語

レクチャー:オノマトペとは何か
10分間オリエン2
<全体>
ゴール:達成してほしいこと
●「水」のコトを自分ごととして考える
●伝えたいコトをまとめ、アニメをつくる
●アイデアの発信方法を考える
●グループ活動する。ワーク時間外も活動する
●多文化交流、目に見える話し合い
●調べ学習、学び合い

メッセージアニメの作成
●伝えたいコトはチームでまとめる
●制作の流れ、役割分担、リモートワーク
●完成アニメの目安(尺、技法、ポスプロなど)
●クレジットと著作権・個人情報の保護
●1/15までに完成させる(細部に拘らない。期日厳守)
20分間オリエン3
<全体>
プロセス・ステップ3
レクチャー:コマ撮りアプリ「ストップモーションスタジオ」の解説
●操作の基礎:基本機能のみ
●編集(参考)

講師が、「水」の参考アニメを制作して見せた
休憩
30分間「水」ヒントだし
<全体>
プロセス・ステップ3
「水」について考えよう
●レクチャー:水循環、「水」押さえどころ
●「Think Water」(4か国語のナレーション、日本語字幕付)ビデオ
●「水」の3択クイズ(3問)
20分間チーム分け
<チームワーク>
プロセス・ステップ3
記録係を決める
自己紹介:
●名前、エンドクレジットに出すニックネーム
●生まれたところ、今住んでいるところ
●年齢、学年、得意なこと、など
●「水」の3択クイズ(3問)
休憩
20分間話し合い
<チームワーク>
プロセス・ステップ2
プロセス・ステップ3
ワンページャー発表:各自の「水」の関心事

水の関心事キーワード出し 共通点、相違点の整理
●ワークシート「アイデアノート①」に記入
15分間講師アドバイス
<全体>
5チームの代表が、「水の関心事キーワード」を発表する
講師が、水の関心事キーワードへコメント
20:05

20:10
次回予告

終了
●2日目の予定、準備するもの
●宿題

2022年12月29日 2日目の進行、内容

  • 伝えたいコトをアニメにする計画
時間内容
17:05
15分間
オリエン1
<全体>
2日目の予定とゴール
グランドルール:やさしい日本語ルール、Slack交流のススメ
チーム編成の変更:チーム減数して4チーム編成とすることを伝達
5分間アイスブレイク
<全体>
プロセス・ステップ3
ビジュアルエクササイズ-ビジュアルから連想することば
●「水の写真」から思いつく「ことば」
5分間オリエン2
<全体>
プロセス・ステップ4
ブレストの参考
●ワークシート「アイデアノート」に記入すること
●前年ワークショップのイメージボード
20分間アイスブレイク
自己紹介
<チームワーク>
プロセス・ステップ3
●もういちど「自己紹介」 ※チーム変更のため
 -名前、ニックネーム
 -生まれたところ、いまいるところ
●「水の写真」から思いつく「ことば」
  ※得意な言語=日本語訳つける、オノマトペもOK
20分間ブレスト
<チームワーク>
プロセス・ステップ4
●前回整理した「水の関心事キーワード」の確認
●共通項をつなぐ、新しい項目などがあれば、加える
●伝えたいコトを話し合う
●プロット(あらすじ)、イメージボードなどを考える
20分間伝えたいコト発表
<全体>
チーム代表、ブレストの内容を発表
講師、水の関心事キーワードへのアドバイス
休憩各自、コマ撮りの準備
13分間ミニワーク
<全体>
プロセス・ステップ3
「水の写真」から思いつくオノマトペを表すアニメをコマ撮り
●オブジェクト(私物)のコマ撮り
●各自MP4に出力して、Slackのチームチャンネルにアップする
講師、参考アニメを見せる
10分間ミニアニメ発表
<チームワーク>
アニメ発表&ゲーム
●各自、ミニアニメ発表
●発表者以外、なんのアニメか当てる
20分間プロット
<チームワーク>
プロセス・ステップ4
アニメの設計
●チームで、アニメの完成形を想像、共有する
●プロット(5W1H)を決める
●ワークシート「アイデアシート②」に記入
15分間オリエン3
4画面物語、ストーリーボード
<全体>
プロセス・ステップ5
レクチャー:4画面物語、ストーリーボード
●目的(なぜ必要か?):チームで制作情報と完成予想を共有する
●書くべきこと、書いておくと良いこと
●上から撮影、横から撮影の違い
●時間管理:こだわり過ぎると終わらない
●制作に必要な役割
20分間設計図:4画面物語
<チームワーク>
プロセス・ステップ5
アニメの設計
●プロットを「4画面物語」に置き換える:アニメの構成、制作の大枠
●キャラクター、背景、技法、撮影法を決める
●役割、担当を決める
アニメの設計
●ストーリーボードに進む ※進んだチームなし
19:55
次回予告・中締め
<全体>
●3日目の予定、準備するもの
●宿題
20:00

20:30
話し合い
<チームワーク>
終了
希望者がいるチームは話し合い続行

2023年1月8日 3日目の進行、内容

  • メッセージアニメで伝えたいコトを表す
時間内容
17:00
10分間
オリエン1
<全体>
3日目の予定とゴール
グランドルール:やさしい日本語ルール、Slack交流のススメ
10分間オリエン2
著作権
<全体>
プロセス・ステップ5
レクチャー:著作権を守る
●クレジットと著作権・個人情報の保護
●参加者のニックネーム表記、自他の著作権等保護
10分間オリエン3
アニメのコツ
<全体>
プロセス・ステップ3
レクチャー:見やすいアニメ(伝わるアニメ)
●5W1Hを表現する
●キャラクター、背景制作のコツ
●大事なところだけ動かす
●撮影ステージを明るくすると、画面が明るくなる
●コマ撮りアプリの設定を調整する
20分間アニメの設計:
ストーリーボード
<チームワーク>
プロセス・ステップ4/5
17:30 アニメの設計
●ストーリボード(カット表)の完成/確認 
  ※4画面物語が完成していないチームは、4画面物語を続行
●変更希望あれば、話し合ってから、更新する
45分間アニメの制作
<チームワーク>
プロセス・ステップ6
チームの計画に沿って制作する
休憩ストレッチ
25分間中間発表
<全体>
チーム、アニメの発表(未編集版)
講師、コメント/アドバイス
  ※ほとんどアニメ制作には進んでいなかった
20分間アニメの制作
<チームワーク>
プロセス・ステップ6
内容の確認
●講師アドバイスを聞いて、他チームのアニメを見て、変更や追加はないか?
●伝えたいコトは伝わるか?

クレジットの確認―決まっていなければ、決める
●タイトル
●チームの名前
●メンバーのクレジット名
●引用、借用等のクレジット

タイトルとエンドクレジットの撮影
●提出期限:1月14日、編集、仕上げ―終わらなければ課外活動
20分間発表の準備
<チームワーク>
4日目の発表準備
●発表者を決める:代表or全員
●スライドをつくる
●タイトル、メンバー(クレジット名)
●伝えたいコト、テーマ
●話し合い、制作で工夫したこと

メッセージアニメの拡散のやり方
  ※時間があれば、話し合うようにとした
  ※話し合い、やり方を発表したチームはなかった
10分間次回予告・中締め
<全体>
●4日目の予告
●ストーリーボードSlackアップ、アニメ完成させSlackアップ、発表の準備
●Slack交流のススメ:チーム交流、講師へ質問
20:00

20:20
話し合い
<チームワーク>
終了
希望者がいるチームは話し合い続行

2023年1月15日 4日目の進行、内容

  • 発表会、ふりかえり
  • 参観者 11名(日本語指導者・教育者、海外日本語教育支援者、高校教員、社会活動家、参加者の保護者)
時間内容
17:00
10分間
オリエン
<全体>
4日目の予定とゴール
●発表の準備、リハーサル
●発表、参観者のフィードバック
●ふりかえり

グランドルール:やさしい日本語ルール、Slack交流のススメ
45分間リハーサル
<全体>
<チームワーク>
進行確認とZoom操作テスト
●発表の段取り
●チーム名、メンバー紹介
●スライドに沿って発表
●発表者の確認、発表者にスポットライト設定
●アニメ再生テスト

チームのリハーサル 1チーム10分間
前半 17:10~17:30 チーム1、チーム2
後半 17:30~17:50 チーム3+4、チーム5
17:55開場参観者がZoomに入る
18:00
5分間
開演
<全体>
主催者 挨拶
アンケート回答依頼
Padletへのコメント依頼
5分間アイスブレイク
<全体>
グーチョキパークイズ
●日本に住んでいる or 日本に来たことがある or 日本に来たことがない
●朝ごはん:和食 or パンなどの洋食 or その他
40分間発表
<全体>
1チーム10分で発表
●がんばったことなどチームワークのポイント、伝えたいコト
●メンバーのコメント
●メッセージアニメの上映(Zoom共有)

各チーム発表後:
●講師のコメント、アドバイス
●参観者の感想
●Padletへの投稿
15分間総括
<全体>
講師の総評
参観者の感想など
主催者の挨拶、講師の紹介
18:08休憩
19:20
40分間
ふりかえり
<全体>
講師がインタビュー形式で、参加者全員がひとこと発言
●がんばったこと、達成したこと、自分が変わったこと

各人(各国)のお菓子紹介・自慢
20:00





20:10
終了の挨拶
<全体>
●メッセージアニメと成果をウェブで公開、メッセージを広げてほしい
●「水」への関心を持ち続けてほしい
●WS報告書をウェブで公開
●アンケート回答依頼

みんなで拍手!
終了

8.講師と事務局スタッフのアンケート回答

  • 4日目終了後実施。回答7名(含む事務局2名
  • Q ワークショップに参加して、自身に気づきなど、変化はありましたか?
高校生WS_講師回答1_自身の気づき
  • Q 上の質問について:「あった」、「なかった」、「よくわからい」に関するコメント記述。
  • 若者たちに頼もしさを感じますし、責任を取る世代として自分がまだ勉強不足だ〜と感じます。
  • より平易な日本語の使用を心がけたことで、普段とても難しい言葉を使い過ぎている点に気が付いた。
  • 考えていることを言葉で表現するより、4画面物語やストーリーボードのように絵にすることで、日本語が理解できない方々でも理解できることを学習した。
  • 科学的なファクトをデフォルメすれば理解が得られやすいが、一方で説明不足と感じることもあり、改めて表現の難しさを感じた。
  • テーマがしっかりしていると、知性の高い学生たちは言語の壁を越えて創作活動ができること。ことばだけに頼らない、アニメだからこそそれを可能にすること。アニメとオノマトペの親和性の高さを実感できたこと。困難があるからこそそれを乗り越えるために工夫し大きな成長につながること。
  • しかし、それには運営側のとことんの励ましや信頼、サポートが必要であること・・・そんなことを感じました。
  • 当初は、意欲や日本語力もバラバラな学生たちが完走してくれるか心配で、アニメが完成しなくても仕方ないとさえ思っていましたが皆さん立派に完成させてくれて、最初から諦めがちだった自分が恥ずかしいと思いました。
  • 学生達の授業中とは違った姿を見ることができて、自分の先入観を壊すことができた。
  • 言語が通じないときのオンラインワークショップのやり方について。
  • アニメーテッドラーニングの可能性が広がった。水について自分自信も学んだ。
  • Q 参加者の日本語力、コミュニケーション力について。
    • 3名 日本語力の低い参加者もいたが、今回くらいのコミュニケーションでもワークショップは成立する。
    • 3名 日本語力が低く、全体もチームワークも理解と対話が伴わない参加者がいた。コミュニケーションに支障があった。
    • その他:講師が参加者の言語を話すことができれば問題ないと思う。あとは、コミュニケーションを取りたいと参加者が思うか次第。
高校生WS_講師回答2_参加者のコミュニケーション
  • Q 参加者の日本語レベルについて。
    • 1名 参加条件の日本語レベルを上げるか、参加者選考を厳しくすべきだ。
    • 2名 現行のままでよい。日本語以外の能力も考慮するとよい。
    • その他:どちらが良いとは言い切れません。現状のスタッフで行くのであれば日本語レベルを上げた方が良いと思います。
    • その他:今の参加受験を基本とし、サポート体制が取れれば(例えば今回のような言語サポート)、臨機応変に受け入れてもよいと思います。なによりも、参加者のやる気、困難を承知でチャレンジする気持ちを確認することが大事だと思います。
    • その他:悩ましいです。基本的には参加条件を厳しくしたほうが良いように思いますが、今回、日本語レベルが追いついていないと思う参加者の成長、また、指導のノウハウ等、学びがたくさんあったと思うので一概に基準を厳しくすれば良いと言うことでもないように思います。
    • その他:翻訳ツールがあるので参加者側は問題がなかったようだが、講師が大変だったのではないかと懸念しています。
高校生WS_講師回答3_参加者の日本語力
  • Q 課題「水」について。
    • 6名 参加者は関心を持っていた。関心を深めたように感じる。
    • 0名 参加者は関心が低いようだ。関心が広がらなかった。
    • 0名 このワークショップの課題としては難しかった。
    • その他:参加者はみな関心を持ってくれていたが、もっと「川の汚れ」や「ごみ」だけでなく、広い視点が欲しかった。(講師からの情報提供にも工夫が必要と感じた:反省点)
高校生WS_講師回答4_課題水
  • Q アニメ設計について。複数回答可。
    • 3名 ワークシート(アイデアノート、キーワードからプロットをつくる工程)は適切だ。
    • 0名 ワークシート(アイデアノート、キーワードからプロットをつくる工程)は改善が必要だ。
    • 3名 ワークシート(4画面物語、カット表/ストリーボード)は適切だ。
    • 2名 ワークシート(4画面物語、カット表/ストリーボード)は改善が必要だ。
    • 2名 スケジュールを立て、分担がわかるワークシートが必要。
    • その他:全体の工程と、いつのワークでどこを学習するか、関連した宿題とその提出日が1枚になっているものがあると、より理解が進むかも。
    • その他:マトリックスを見せたうえで、今どこにいるのか、またそれぞれの機能の理解度や作業進度によって、どの工程の課題を端折れるか、運営側で状況に応じて検討し判断してもよい気がする。
高校生WS_講師回答5_アニメの設計
  • Q アニメ制作(技能)について。複数回答可。
    • 0名 コマ撮りや編集の基礎をもっと教えた方が良い。
    • 1名 映像制作の技量を高めてから、このようなワークショップをした方が良い。(制作術の講習が別途必要)。
    • 6名 技術的なレクチャーを減らし、ミニワークや実践で学習者が試行錯誤したのは良かった。
    • 0名 学習者が自習したり、困った時に調べられる、手引き(ウェブサイト)が足りない。
    • その他:のんきさんが実際に動かしながら見せてくれたことで、参加者の理解が深まったと思う。今回の流れでよろしいかと思う。
高校生WS_講師回答6_アニメの技能
  • Q 参加者のふりかえりについて。
    • 3名 適切な時間と運営だった。
    • 1名 時間が短い。
    • 2名 講師や事務局がリードしてもよいが、ふりかえりの手順や質問をもっと整備すべき。
    • 0名 参加者がリードできるような運営が望ましい。
    • その他:参加者が「ふりかえり」「リフレクションタイム」に慣れていない感じがした。
高校生WS_講師回答7_ふりかえり
  • Q 全体、個別問わず、ご意見やご提案など、自由にご記入ください。(一部編集)
  • のんきさん
    • 今回の水テーマ、良かったですね。わたし自身も勉強になりました。
    • 「オノマトペ」も前回よりしっかり意識してもらえた感があり、進行に関しては前回の経験が生かされたかなと思います。
    • 今回「アニメ担当」の仕事的には少なく、グループ担当としてファシリ的な役をつとめさせて頂きましたが、ここに関してはもっと適任の方がいるかも?うまくできたか自信がなく、悩ましいです。他のオトナの皆さんの動きを観察し、参考にさせていただきました。
    • テーマについて、高校生の皆さんの興味あることを募っても良いかもですね。(そこからオトナがそのテーマと社会の課題をひもづける)。
  • はせさん
    • このWSでは、異なる地域に住んでいる皆さんが、より良い「水」環境を次世代に残すために、色々と考え話し合ってくれました。この取り組みを、ある程度狭い流域(複数の自治体間)に当てはめて実践していくことで、地域の輪が広がっていくと感じました。
    • 今後、同じ課題を共有するコミュニティでの活動を期待したいと思います。
  • はるちゃん
    • プログラムの完成度がどんどん上がっていますね。
    • もっと日本の子に参加してほしいですね。広報がんばりましょう!
  • えんまりさん
    • フランスの学生達は初めての日本とのワークだったようでとても勉強になったようです。

9.主催者のふりかえり-目的達成の自己評価

全体評価

  • 本ワークショップは、成果物と参加者の感想を検証した結果、次の目的を達成したと考えられます:
  • アニメ制作で世界的課題の理解を深め、自らのアイデアを表現、発信する。
  • アニメとオノマトペで、ことばだけに頼らずに、多文化交流をする。
  • 18名が全ワークを完遂しました。
  • 応募22名より辞退4名(開始前3名、1日目参加後1名)が出たものの、参加者たちは日本語力の開きを補い合い、絵やアニメなどの視覚表現も使いながらチームで活動し、発表会ではメッセージアニメと共に全員がワーク参加の感想を日本語で発表しました。
  • ワークショップ終了後の参加者アンケート回答(17名回答、複数回答可)で、参加者の大半は「水」への関心が深まり、「水」の課題解決のために行動したい、と考えるに至りました。
    • 14名 「水」に関する考えが変わった/深まった。
    • 11名 「水」の問題を解決するために行動したい。
    • 5名 「水」のことを勉強し続けたい。
  • ワークショップ開始前のインタビューやSlackでの自己紹介で「水」への関心を尋ねた際には、身近な水(川や湖など)の表層的な清濁だけでなく、「水の課題」を認識していた者は10名(大学生6名、高校生4名)で、自身がなんらかの行動をしたいと表明した者は内2名でしたが、本ワークショップが課題に対する社会的、積極的な意識を育んだと考えられます。
  • また、参加者は多文化なひとたちと交流したい、交流へのハードルが下がったと自己評価しています。
    • 14名 アニメがつくれるようになった。
    • 7名  アニメでメッセージやアイデアを伝えられると思う。
    • 11名 多文化なひとたち、日本語話者以外とも交流したい、交流へのハードルが下がった。
    • 9名 仲間と社会的課題を考えたり、解決に取り組むのが楽しくなった。
  • アンケートの自由記載では、「アニメをつくれたこと」、「仲間と一緒にワークしたこと」から「自信を得た」とし、「アニメをつくりたい」、「チームでアニメを完成させたい」という動機が彼らの活動を支えたことがわかります。
  • このことは、アニメーテッドラーニングがアニメ制作を通じて主体的な学びと多角的な表現・発信のスキルを高めることの証しであり、その根底にはアニメーションの潜在力、可能性が存在すると言えるでしょう。
  • 複数の文化背景を持つひとたちが協力し合い、「水」という社会的にも科学的にも、ローカルにもグローバルにも考察できるテーマに対しアイデアを表現できたことから、本ワークショップ参加者が「アニメーテッドラーニングがさまざまな学びや社会活動において有用である」と証明しました。

アニメーテッドラーニングの課題と改善

  • 本ワークショップは教育や社会活動等でアニメーテッドラーニングを導入する際に使えるプロセスやツール等を整備し普及させることを目標(下記)にしており、その観点から本ワークショップを企画実施した主催者・事務局(アニメーテッドラーニングらぼ)の総括を記します。
  • 本ワークショップの主催者と講師・ファシリテーターの目標
    • ●アニメで表現・発信すること、多文化交流することで、本ワークショップ参加前と参加後で、自分の意識がどのように変わったかを参加者本人に自覚させる。
  • 上記目標を達成するために次のプログラムとファシリテーションを考案し、実施する:
    • ●事前の調べ学習(宿題)、ファシリテーション(ワークでの声掛けや問い掛けでの支援)、ワークシートなどを研究、改善する。
    • ●「水」(治水、利水、環境)の情報を提供する。
    • ●レクチャーは極力なくし、ミニワーク、ゲーム、参加者同士の情報共有で「学び」を徐々に深める。
    • ●Slackのチームチャンネルでも参加者に活発に対話させる。
  • 1.ワークショップのプログラム
  • 実践重視
    • レクチャーを減らして実習を増やすことで、参加者に実践的な試行錯誤を促した。
    • オノマトペ自己紹介、ビジュアルエクササイズ(写真から思いつくことば)、ミニワーク(コマ撮りの基礎習得)は、初心者、日本語学習者が取り組みやすく、積極的な参加を促したと思われる。
    • レクチャーでは、講師(のんきさん)がコマ撮りアプリを操作しながら手順やコツを実際に見せるようにした。
  • 学びを導く
    • テーマを「水」としたのは、参加者が身近なものとして考えることができ、アニメ制作のイマジネーションも広がり、本ワークショップに適切であった。
    • 講師として「水」と「石」にまつわる専門家、はせさんを迎え、身の回りの環境や生活から、地球規模の摂理、現象、そして最新の課題まで、参加者の関心を広げられた。
    • 専門用語や技術解説等を”やさしい日本語”で伝えようと努めてくださった講師のみなさんに謝辞を申し上げる。
  • 日程(時期、日数、時間)
    • 学びからアニメ制作まで繁多なプログラムを、制作初心者で初対面の参加者たちが共同作業するには、9時間(3時間x3日間、4日目は発表会)は短く、全体的にタイトな進行となった。
    • また日本語力の差のため話し合いが充分にできず、終盤には課外の個人作業が増えた。
    • オンライン開催では個人作業は多くなるが、参加者間の親交、表現技術の習得、専門家との質疑応答、テーマの学びや話し合いなど、全体やチームのワークを増やすために日程の改善を図りたい。
    • 講師(のんきさん)から、学校の長期休暇と土・日曜を組み合わせるなど、「短期集中と分散の混合」日程の提案があり、検討したい。
  • 2.文字情報からメッセージアニメーションへの置き換えプロセス
  • 本ワークショップでは、文字情報からメッセージアニメーションへの置き換えプロセスとして、工程(ステップ2~ステップ6)とツール(ワークシート、チームの話し合い)検証した。
  • 結論として、実践利用の目途が立った。
  • 工程
  • ワークシート
    • ツールとして、3種のワークシートを利用した:
    • 「ワンページャー(1ページのプレゼンシート)」を予習(宿題)として課し、チームのブレストの補助ツールとした。
    • 絵、写真などの視覚言語を使いやすいワンページャーは、ことば以外のクリエイティブな能力を引き出した。
  • 工程とワークシートの理解
    • 参加者の中には工程とワークシートの理解が不十分で、「なにをすれば良いかわからない」という声があった。
    • 事務局は1日目~3日目のオリエン(オリエンテーション)と「お知らせ(宿題)サイト」を準備したものの、初心者、日本語学習者に周知するには不十分であった。
    • お知らせ(宿題)サイト>> 
    • 講師(のんきさん、はるちゃん)から、1枚の「マトリックス」で、工程全体、いつのワークでなにをするか/どのワークシートを使うか、関連した宿題と提出日を参加者が確認できると良いという提案があり、導入したい。
    • なお各チームは、事務局が提示した工程進行とツールをそれぞれの活動時間や参加者のスキルに適応させて活用した。
    • ワークシート「ストーリーボード」はほとんど利用されなかった。ストーリーボードはカット割り、演出、ポストプロダクション等を習得した上位スキル者が用いると、チームワークを円滑化できるだけでなく、ワークの記録にもなる。
    • 本ワークショップでは時間制約と使い方等を周知できなかったことに因るが、ガイダンスの開発を含め、「ストーリーボード」をオンラインワークや初心者向けに改善していきたい。
    • また、教育現場や社会活動では学習者の学齢や経験度に応じて工程とワークシートをカスタマイズするとよく、アニメーテッドラーニングらぼが実践者へカスタマイズの助言ができるようになっていきたい。
  • ふりかえり
    • ワーク中の中間発表、最終日に参観者を交えた発表会をおこない、その都度「ふりかえり」の時間を設けたが、参加者が「ふりかえり」に慣れていなかったと、講師から指摘があった。
    • 参加者たちが話し合いをリードできるように、「ふりかえり」の目的を浸透させ、手順や質問を整備すべきとも指摘された。適切な指摘であり、改善していきたい。
    • 伝えたいコトの拡散は、アニメを完成させるので手一杯になり、その方法まで話せたチームはなかった。拡散のやり方を考える時間を確保し、参加者がテーマやアニメで伝えることに関心を持ち続けられるようにしていきたい。
  • 3.オンライン/リモートワーク
  • オンライン/リモートワークでも、初対面の参加者たちが「アニメでアイデアを表現できる」ことを示せた。
  • 前年のワークショップよりプログラムを改善しただけでなく、講師たちの見守りと適切な助言と励ましが参加者のやる気を支えた。
  • 参加者が主体的に、運営側が想定した以上の表現を創出し、デジタルツールやアプリ等を活用したことは、オンラインでは講師の目配りが行き届かないことを補って余りある、オンライン活動の利点と捉えられるだろう。
  • 自習のガイダンス(ウェブサイト)
    • しかし、参加者がどのように利用するかを理解していないようだった。特に、「水」のヒントおまとめページは難しい用語もあり、翻訳ツールの活用を勧めたものの、期待通りには利用されなかった。
    • 自習は内容とともにガイダンスを改善していきたい。
  • 参加者同士が情報交換できる場
    • 参加者の国・地域の情報等を参加者同士が共有できる「オンラインの場」も検討したい。
  • 4.参加要件:日本語力と創造性(クリエイティビティ)
  • 参加者選定で応募者の参加意欲の高さを考慮して言語要件を緩くしたため、講師と事務局は「日本語による理解と対話が伴わない参加者がおり、コミュニケーションに支障があった」と感じた。
  • 日本語学習者は日本語の対話に、日本語ネイティブ者はやさしい日本語に、「難しさを感じた」とした。
  • ワーク進行につれ、参加者と講師はそれぞれ工夫しながら対話し、必要に応じた多言語コミュニケーション(多言語話者が自主的に対話サポート)も進んでいった。
  • Slackのチームチャンネルでは「目に見える」話し合いもなされた。
  • 創造性(クリエイティビティ)を引き出す
    • ワークショップのはじめは、日本語での話し合いが進まず、参加者がワークに付いていけないこともあった。
    • しかし、ワンページャー、プロットやストーリー考案、4画面物語、デザインなどで、創造性(クリエイティビティ)の力量を発揮する参加者がおり、言語力だけで合否判定せずに良かったと、事務局は考えるに至った。
    • また、経験や知的好奇心から主体的に「水」を調べ、「水」の課題解決を考え、メッセージアニメに厚みを持たせた参加者もいた。
    • 講師と事務局、発表会参観者の多くが、ことばだけに頼らず、アニメ(視覚言語)と自由度の高いオノマトペがハードルを下げ、「困難があるからこそ、それを乗り越えるために工夫し大きな成長につなかった」と実感した。
    • フランスの大学生は日本語力では劣ったものの、伝えたいコトの整理に多角的な視点をもたらし、クリエイティブなワークで貢献した。
    • 日本在住の高校生/日本語ネイティブ者と、大学生くらいまでの日本語学習者の多文化ワークショップは事務局も楽しめ、継続したい。
  • 日本語サポート、多言語対応
    • 事務局は、参加者と講師の両方に「やさしい日本語のルール」を示し、翻訳ツール、視覚言語、チャット等の利用を推奨すれば言語対応はできると考えたが、一部参加者のスキルは想定を下回った。
    • 「なにをすればいいかわからない、話し合いについていけない」という日本語学習者がおり、英語ができる講師と参加者は英語も用い、はるちゃんとエンマリさんは中国語とフランス語で補助し、多言語コミュニケーションを緩やかに取り入れた。
    • 翻訳アプリの利用は徐々に増えた。
    • 「やさしい日本語」は日本語学習者のために、日本語ネイティブの参加者と講師に課したのだが、やさしい日本語は日本語ネイティブ者にも”気づき”をもたらした。
    • 「専門的、難解なことを誰にでもわかるように伝えること」は、多様なひとたちが社会的課題に取り組むハードルを下げると、本ワークショップは示したと考えられる。
    • 今後も通訳者を入れるのではなく、参加者と講師(ファシリテーター)が伝わる対話を心掛け、デジタルツール(翻訳、チャット、チームワーク支援等)も取り入れて、「目に見える話し合い」で多彩な能力を引き出したいと考える。
    • また、事務局の発信(募集の要項とサイト、ワークの内容、当日進行等)は日本語を主とし、多言語対応は極力少なくするのがよいと考える。
  • 5.運営体制
  • 事務局2名、講師兼ファシリテーター3名、中国語とフランス語の言語サポーター2名の態勢で運営した。
  • チームワークの補助は、前回参加者1名、日本在住高校生3名と中国在住高校生1名に「チームリーダー」を頼んだ。
  • 当日の運営スタッフがもっと多いとよいと思うこともあったが、資金的に難しいため当面は少人数で進めざるを得ない。
  • 卒業者(前回参加者)、ボランティアメンバー
    • ”ワークショップ卒業生”をチームリーダーに迎える。卒業者にはアニメーテッドラーニングで「楽しい体験をした」こと、「学びを深めた」ことを継承していただきたい。
    • 前年ワークショップ参加者で、日本語学習者のゆさんがチームリーダーになってくれた。ゆさんはメンバーが発言しやすい、クリエイティブなチームワークをしてくれた。
    • また、教育、社会活動、アニメ制作等の分野からアニメーテッドラーニングに賛同するひとたちをボランティアメンバーや講師兼ファシリテーターとして歓迎したい。
  • アニメーション、オノマトペなどの表現技術の指導
    • 講師(のんきさん)が、「「アニメ担当」の仕事は少なく、ファシリテーター的な役をつとめたが、ここに関してはもっと適任の方がいるかも?と悩ましい」とふりかえりした。
    • 講師(スーさん)も、チームワークの言語サポートがとても多かったとした。
    • 専門分野の講師にはチームワークのファシリテーターとして、参加者たちの学びの伴走をお願いした。
    • 想定以上に言語サポートの比重が多くなったが、講師のみなさんは「学びの伴走者」を十二分に果たしくださった。
    • 「ファシリテーター」を加えればより円滑に進行できるかも知れないが、技術指導を適時適切におこない、専門的視点でも参加者を励まし、潜在力を引き出す伴走者がアニメーテッドラーニングには欠かせない。
    • 本ワークショップでは、講師兼ファシリテーターの専門家3名がいたから参加者は成果を残せたと考えられる。
    • しかし、視覚言語、映像表現の専門家が「専門的にやるべきことが少なかった」と捉えたことは重く受け止めたい。
    • アニメーテッドラーニングは「学び」と「アニメ/視覚言語で伝えたいコトを伝える」の両立で成り立ち、学習者に表現力を向上させ、彼らの創造性(クリエイティビティ)を見定めて引き出す、表現分野のサポートが不可欠だからである。
    • アニメーテッドラーニングらぼは「学び」と「表現」の懸け橋となるべく、関連分野の専門家と連携して、専門家が「参加したいと思うアニメーテッドラーニング」を開発したいと考えるし、アニメーテッドラーニング経験者・卒業者がファシリテーターとなってくださるようなワークショップやファシリテーター講習を開発していきたい。
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  • 本ワークショップは、アニメーテッドラーニングの日本における普及促進を目的とし、一般社団法人アニメーテッドラーニングらぼと文化学園大学 文化・住環境学研究所との共同研究の下に実施されました。
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