実施報告 アニメ制作と発表で学ぶ「アニメーテッドラーニング」 フォーラム 2020~アニメーテッドラーニングにおける、アニメーション界と教育界の連携

  1. フォーラムの内容
  2. 質疑応答と話し合いの記録
  3. リモート参加者のアンケート回答
  4. 主催者、アニメーテッドラーニングらぼのふりかえり―目的達成の自己評価

実施概要

日時2021年1月16日(土)
発表:13時~15:10、質疑応答・チャット:15:20~16時
場所オンライン開催(アプリ:Zoomミーティング)/全員リモート参加
主催一般社団法人アニメーテッドラーニングらぼ
協力文化学園大学 文化・住環境学研究所
助成令和2年度子どもゆめ基金(独立行政法人 国立青少年教育振興機構 国立青少年教育振興機構)
指導者養成活動「アニメ制作と発表で学ぶ「アニメーテッドラーニング」 フォーラム 2020」

助成活動の目的:地域社会との係わりが薄れる子ども(児童生徒、青少年)が、身近な問題や地域社会の課題を考え、友だち、意見の異なる人、大人や外国人等とアイデアを話し合いながら学びを深めるツールとしてアニメ制作と発表および振り返りを用いる、アニメーテッドラーニングの導入を希望するファシリテーター、教員、子ども活動指導者等に向けて研究発表会(フォーラム)を行う。コロナ禍のためオンライン開催のみとし、講習会は行わない。
概要●アニメーションを学習やコミュニケーションのツールとし、学習者のさまざまな能力を引き出し、自信や積極性を育むメソッド/ツール「アニメーテッドラーニング」の最新動向を発表する。国内では昨年に続き2回目のフォーラムとなる。
●テーマを「アニメーテッドラーニングにおける、アニメーション界と教育界の連携」とし、アニメーション研究家の津堅信之氏(日本大学藝術学部映画学科講師)と獲得型教育研究会代表代行の宮崎充治氏(弘前大学教育学部教授)をゲスト講師に招く。
●共同研究者の文化学園大学造形学部教授 昼間行雄氏と同准教授 荒井知恵氏が開発中の「アニメーテッドラーニング指導者向けガイダンス」の参考ワーク検証の報告と、アニメーション界と教育界との連携の必要性と可能性を提言する。
●講師とリモート参加者と質疑応答、意見交換を行う。
対象と募集●対象:主に社会人、高等教育機関の学生
  アニメーテッドラーニング実践を希望する指導者
  教育や社会活動にアニメーション制作を導入する/導入を検討する指導者
  教育や社会活動での主体的なコミュニケーション力向上を図る実践者や研究者
  関係分野の学生、企業社員や公的機関・行政機関職員等
●募集人数:100名/事前登録制。参加登録は先着順。
●参加費:無料
●専用サイトで事前申込:https://forms.gle/xHSq7XSqmX4usYNF7
●告知サイト:http://alljp.org/forum2020
参加Zoomログイン数 32
講師等第1部 アニメーテッドラーニングに期待される役割、ガイダンスの検証
昼間行雄氏(文化学園大学造形学部 教授)
荒井知恵氏(文化学園大学造形学部 准教授)
第2部 アニメーション界と教育界との連携を考える
宮崎充治氏(獲得型教育研究会 代表代行、弘前大学教育学部 教授)
津堅信之氏(アニメーション研究家、日本大学藝術学部映画学科 講師)

全体進行:浪越徳子(アニメーテッドラーニングらぼ)
意見交換進行、活動報告:伊藤裕美(アニメーテッドラーニングらぼ)

1.フォーラムの内容

  • 各発表スライドのPDFデータはダウンロードできます。

第1部 日本におけるアニメーテッドラーニングの進捗

  • 1.アニメーテッドラーニングらぼの活動報告(30分、含む主催者挨拶)
    • アニメーテッドラーニングらぼ 代表理事 伊藤裕美
  • 2.アニメーテッドラーニングに期待される役割(発表30分)
    • 文化学園大学造形学部 教授 昼間行雄氏
    • 文化学園大学造形学部 准教授 荒井知恵氏
  • 研究所の研究と、アニメーテッドラーニングらぼとの共同研究の経緯。昨年度に実施した内容の紹介(荒井)
  • 昨年度一昨年度を踏まえた 2020 度の活動と、 ガイダンスの練習ワークを検証する模擬ワークショップについて(昼間)
  • ワークの内容を作成するにあたり、アニメーション制作者として考えたこと 、参考映像の制作について(荒井)
  • 今後の共同研究での視点(昼間)

第2部 アニメーション界と教育界との連携を考える

  • 3.教育界より、参加型アクティビティの研究に取り組む、獲得型教育研究会の「ドラマ技法」について(発表30分)
  • 教室にドラマを-獲得型教育モデルについて-
  • 4.アニメーション歴史家による、日本の教育に使われたアニメーションの概史(発表30分)
    • アニメーション研究家、日本大学藝術学部映画学科 講師 津堅信之氏
  • アニメーションと教育 日本の戦前戦後の歴史

第3部 質疑応答と話し合い

2.質疑応答と話し合いの記録(抜粋、主催者校正済)

  • 進行:講師から一言ずついただきたい。
  • 昼間氏:今年度研究したことは、ALのワーク構築にあたり実際に可能かどうか、というところから。
    • サンプル数がまだまだ足りないので、色々な年齢層のデータをとりたい。
    • 宮崎さんが仰った「シアターとドラマの違い」、「アニメを制作するワークショップ(WS)」と「アニメを使って発表するアニメーテッドラーニング」の違いはまさにそこだと思う。
    • 有意義な時間だった。
  • 荒井氏:とても興味深かった。教育現場のWSの取り組みの話はなかなか聴く機会がない。
    • 即興性のあるアニメーションの可能性も今後見ていきたい。
  • 宮崎氏:テクノロジーの進歩により受け手が発信者に変わる。
    • かつては昼間さんが見せてくれたようなビデオはつくれなかった。今はi-phone1台で撮れる。
    • 表現の幅を広げる点で面白い試み。
    • 今後は専門家がどう関わっていくかが重要。どうしたら子どもから表現を引き出すことができるか、が課題。
  • 津堅氏:刺激的な話題が多く、勉強になった。
    • 50分(学校の授業単位)で何ができるかは課題。
    • 宮崎さんの話で、「表現を通じて理解する」ことを煎じ詰めると何が残るのか、がヒントになる。
    • ユーロ圏では資金も人材もどんどん国境を越えている。アニメーションはある程度の資金と設備が必要で、制作者が拠点にしている国や町があっても制作では越境している。いま、その流れに日本の若いアニメーターたちが乗り遅れているのではないか。
    • 昼間さん、荒井さんの発表のなかで、大学院生が最初につくった「犬が吠えている」動画」と改善した動画を見た時、最初の動画では犬がフレームアウトした時におにぎりの表情が変わり、それはそれで面白いと思った。
    • 改良版を見て、評価のやり方をどうするのか、統一する必要があるか、等も課題と思った。
  • 進行:宮崎さんの話の中で、アニメーテッドラーニング(AL)に通じるものと異なるものがある。
    • 身体性の部分で、アニメーションは身体の表現と果たして言えるのか?
    • ツールとしてのアニメ制作・発表を考えていただきたいと思い、獲得研と接点が持ちたいと考えていた。
    • 宮崎さんが、獲得研設立者の渡部 淳氏が残した「教室は暖かい柔らかい空気をもった場所」という話をされた。
    • ALはデンマーク発祥。家族的環境を大事にする国民性で公共図書館なども家庭的。デンマークのALがいう「スペシャルワールド」は、一人一人が楽しい創造的空間をもち、その中から発信する。
    • 日本でも、ALを通じて、何かを学ぼうとする人たちが、温かく柔らかい空間を共有できれば良いと思った。
    • 津堅さんの講演は、まさしくこういう歴史なのかと思い、面白い内容だった。アニメを見る側はあくまで受容者、という視点に立った教育が戦後ある程度のところまでなされたということが時系列で確認できた。プロが作ったもの、理解を深めるための教材としてアニメーションは使われてきた。
    • ALは、表現の手段としてアニメーションを考える。発信者、表現者としてのツール。それが面白いと思って、わたしたちはここ何年間かトライしている。
  • <リモート参加者と質疑応答>
  • A氏:チャットに書いたが、コンピューターが補完する点をどう考える?
      • チャットの内容:9VAeきゅうべえアニメ研究所のAといいます。
      • 子どもの博物館「キッズプラザ大阪」にアニメ制作コーナーを常設する際、アニメを簡単につくる方法を考え、「ひとコマアニメーション」に到達した>> https://9vae.blogspot.com/p/blog-page_15.html
      • アニメーテッドラーニングらぼでは、ストップモーションアニメが中心のようですがコンピュータでキーフレーム補間するアニメーションをどう考えていますか?
  • 進行:全くあり。
    • Stop Motion Studioと言うフリーでよくできているコマ撮りアプリがあったので使っているだけ。
    • 是非ALのツールとしてAさんのアプリを使わせてほしい。
  • A氏:今日のような研究会を探していた。
    • キッズプラザ大阪で50分のWSを行い、20人の子どもにアニメーション指導のために開発したのが「9VAeきゅうべえ」のアプリ。
    • キッズプラザ大阪の常設でアニメ制作で許されたのが「5分」だった。初めてでも子どもがどこまでできるかと考え、インプットされたデータに対してコンピュータがアルゴリズムで動きを付けて再生する仕組みをつくった。
    • 宮崎さんもDXの話をしていたが、コンピュータなどを採り入れることはとても大事なことと思った。
  • 進行:宮崎さんから、「表現を通じて学びを深めていく」という話があった。
    • 多くのアニメ制作WSでは、アニメをつくることが目的化されてしまっている。それはそれで、あって然るべきだが、「アニメをつくって楽しかったね、良かったね」でなく、自分は何を考えて何を伝えたいかを、個人、チームで深めるのが重要。そのためにはアニメ側からのアプローチだけでなく、教育や社会活動でもALをやってみてほしい。
  • 進行:ALLの可能性について、リモート参加者で外国から見てどう思うか?
  • B氏:今日はイギリスから参加。他にもCさん、Dさんなど欧州で日本語教育に関わっている仲間が参加している。
    • 外国語を学び始めた時、学習者は限られた言語材料しか持っておらず外国語で表現できるのはごく一部。手持ちの材料が少なくて、もどかしい気持ちがあると思う。
    • 宮崎さんが「学習者から表現を引き出す」とおっしゃっていたが、私たちは言葉がまだ限られている時に言葉以外の様々なモードで表現できる場をつくりたい。
    • 言葉だけに集中しすぎるのはつまらない。ドラマワークなど様々なアクティビティで、表現を活性化、創発するする中で、アニメーションは素晴らしいツール。ものすごい可能性を感じた。
    • アニメーションはアクティビティのレパートリーの一つになる。ヨーロッパの日本語教育でどんどんやってみたい。
  • C氏:このフォーラムに招待された時、アニメーションの定義がわからなかった。
    • 90年代に日本を出てからずっと海外なので、マンガとアニメとアニメーションがごっちゃになっていた。
    • 今回ものすごく勉強になった。目から鱗。まだ先生たちに訊きたいこともたくさんある。
    • わたしは4歳から80何歳までを教えてきたが、日本に住んでいる人と、こちらに住んでいる子どもとでは、表現方法、手段がかなり違う。こちらの国では、自己表現をしないと生き残れない。子どもはコミュニケーションツールを小さい時から持っている。
    • 子どもが良い環境の中で表現したいという場をつくることが重要。
    • この国の子ども達は、客観性と言うことがわからない。日本人は当たり前に持っているが、そこから全然違う。
    • 日本語教育で「4コマ漫画」で表現する試験もしていたし、スピーチコンテストでも自分たちでパワポをつくる。そこにALを入れることも可能。
    • 言語表現を教えてきた立場として、映像表現を一緒にできるのはすごいポテンシャルあると思った。
    • 「おにぎり顔」があったが、アニメーションでも身体で表現するというのはできると思う。例えば、おにぎり顔に手足を付けて顔だけでなく身体で表現するなど。
  • 進行:身体で表現するという部分、全くそのとおり。
    • 空想の表現だけでは伝わる表現にならない。自ら感じて、身体的な獲得が無いと、ひとに伝わる表現にならない。自分で獲得しないものはアウトプットできない。
  • 昼間氏:ワークへのサポートで困る点。「練習ワーク0」は抽象形態のものが動く、「練習ワーク1」はいきなり顔(おにぎり顔)のパーツが出てくる。
    • 抽象形態は何かを見ている者が想像し、更に動きで想像するが、おにぎり顔はマンガの記号化された顔。練習ワーク0と1はそのチョイスから始まる。
    • 練習ワーク0と1をつなぐ部分が要ると考えるが、まだそこがうまくワークの中で構築されていない。
    • 練習ワーク0の抽象形態の動きと、日本のマンガでも誇張された表情との組み合わせがうまくいくだろうか、というのが、実際にやっていて疑問とだ。
    • カナダでもコマ数を変えることで動きの緩急をつける教材がある。
    • 切り絵アニメのハードルは高いかも知れない。AI人工知能の投入で自動的な動きがプログラムされて、それを使うと子どもたちの表現が広がるのではないか。切り絵アニメが良いかどうかの選択も重要。
  • 進行:学習から表現を引き出すという獲得研の話が印象的。
  • 宮崎氏:獲得研で最初に行ったのは、体系化。多様な方法があるがすべてやることはできない。
    • 表現そのものの学びも大事だが、表現を通して何かを伝えることに重きを置くと、ツールを絞り込みながら使う必要がある。
    • アクティビティの体系化。獲得研は「コアアクティビティ」を選び出し、使いこなす中で運用方法を知っていくという研究プロセスをとった。同じことがアニメーションにもあるかも。
  • 昼間氏:大変参考になった。
  • 進行:オンラインのガイダンスは途上だが、宮崎さん仰るように最低限押さえるところを押さえ、そこからの展開は自由。
    • 課題になっているのがアニメーションの表現はたくさんあるが、(使ってもらえるように)どうやって伝えていくか。
    • 体系化の問題、昼間さんの言ったツールの話、AI活用なども含め、皆さんと今後リンクできればと思う。
  • E氏:獲得研から参加している。
    • 人の営みはアニメにせよ演劇にせよ、受容する方と表す方とがある。
    • チャットでも書いたが、「表現すること」と「鑑賞・リテラシー」の関係をどう捉え、どう進めて行けばよいか。アクティビティの体系化も含めて。
    • 成城学園では、戦後既に「映像」という教科があった。昭和30年代に4コマを撮って構成する、コマ割りの初歩のカリキュラムがあった。それを通して子どもたちは、自分の表現の方法によって俯瞰で日常を切り取る方法を学んだ。表す力と読み取る力の両方。
    • そういうことが今、学校で下火になっているのは残念。
    • 直感的なスキルと分析のスキル、両方が身に付く素晴らしいカリキュラムが昭和30年代、40年代に行われていた。
    • ALでは、つくり手としての素養と表現者+需要者、リテラシーの力をどう捉えているか。
  • 進行:ご指摘のポイントを重要と思い、今まさしく相談しながら進めている。
    • 表現者・つくり手と同時に受け取り手としてのリテラシーも養っていくのが、アニメーテッドラーニングの「プラス・スパイラル」。ひとりの学習者がアニメーションでは監督であり、演技者であり得る。
    • 演劇も良いが、客観的に見るのが難しい。ALでも鑑賞する力、分析する力も養っていく。
  • F氏:九州でALをやってみた。感じたのは何かをつくり上げることより、プロセスにウェイトを置くのが重要ということ。
    • 参加者次第で全く違い、身体表現をやったほうが良い子も、客観視が向いている子もいる。ケースバイケースなので、完成させるのでなく、どのプロセスがその子に合っているかを見る。皆が表現する時代なので完成形にはこだわらない。
  • B氏:今後もつながりをもって活動をしたい。日本とのつながりを意識して、ここから何かが生まれる可能性を感じる。
    • ALが目指しているものは、伊藤さんのプレゼンでまっすぐに伝わった。我々の仲間のネットワークに通じるものがある。
  • D氏:最初に伊藤さんが言っていた、自分の意見を言っても良いと思える場をつくること。
    • もどかしい、言葉で表現ができない、そういう気持ち持っている人にとって、表現する機会をつくる。人間として存在することになる場面、伝えることができるようになる場面、人間として認められる場面、色々な場をつくるのはものすごく大事なことだと思う。
    • ALの今後が楽しみです。
  • 進行:日本にいると日本語が通じてしまうので、異文化社会で生きている方々にとっては、まさしくDさんが仰ったとおりだと思う。
    • 皆さんと話したりないことも多いですが、本日はここで終了とさせていただきます。ありがとうございます。

3.リモート参加者のアンケート回答

  • アンケート回答数:15
  • 4) 質問(3)で「ほかの時期を希望する」を選んだ⽅にお尋ねします。参加しやすい時期はいつですか?
  • もう1週間後にしていただけると、共通試験監督等の⼤学業務を⼼配せずに参加できるかと思います。
  • ⽇本時間午後2時〜5時。
  • もう、慣れていますので⼤丈夫です。
  • 夏休みがよい。
  • 時差があるのであと3時間くらい後からの時間(⽇本時間で16時前後)だともっと参加しやすいです。
  • 7) 質問(6)に関し、ご指摘やご質問があればご記⼊ください。
  • パワーポイントなどの資料を共有してもらえてありがたいです。プレゼンテーションの始めにその旨、教えていただけるとメモをたくさん取らないで済むので助かります。
  • 可能性を感じました。おにぎり君と作成のアプローチの仕⽅、様々な取り組み⽅があると思います。
  • アニメーションを通じて「⾃分の⾔葉で表現する」事を学べる場をつくるのは、ものすごく重要なことだと思います。また、教育現場の⽅達と共同でプログラムを開発されて⾏こうとする姿勢も素晴らしいと思いました。
  • 私のような初⼼者にとっては「アニメーテッドラーニング」そのものについての説明が少々不⾜していたように思います(他の参加者はご存知だったのかもしれませんが )。でも、終了後に、今回のフォーラム全体を振り返ると、その目指すところが⾒えてきました。
  • アニメーテッドラーニングとは何か、があまりわかりませんでした すみません。
  • 9) 質問(8)「アニメーテッドラーニングに期待される内容」に関し、ご指摘やご質問があればご記入ください。
  • 大学生院たちのワークでの作品が面白く、大変参考になりました。
  • まだ一部しか紹介していただいていないので、よくわからないことがありますが、可能性を感じます。現在、私は絵、写真、絵本など視覚的な物を使っての学習を考えているので。
  • ワーク 0,1、2...で、アニメーションで伝えるという事の色々な側面にフォーカスし、考えるしかけを作っていて素晴らしいとおもいました。最後に昼間先生が仰ったように、ワーク 0(無記号)と 1(記号)の間にかけ橋があっても面白いですし、時間があれば、各側面をもっと深く掘り下げていっても面白いと思います。模擬ワークショップで、初バーションから、改良版を考えたり、事後の聞き取りを行ったりと、メタ認知(「プロセス」ですね。)の部分をとても大切にされている所もとても印象的でした。
    • また、ほかの媒体にはない、アニメーションの魅力を考えるというのは、AL を広めていくうえで非常に重要だと思いました。
    • もう少し時間を取って、荒井先生の、「プロ」としての観点をもっと詳しく聞ければよかったなと思いました。
  • まだ手探り状態のようですが、ありのままを発表して頂けたことで、かえって良かったと思います。なお、個人的には、講師の経験上、「顔の表情」を使うのは結構、難度が高いと感じています。それよりも、キャラクタや物の「動き」で簡単な物語を表現する方が、特に初心者には適しているのではないでしょうか。
  • おにぎり顔一覧、や、大きさ、また、他に準備されているものなどをもっと知りたいです。たとえば、犬はもともと用意されていたのでしょうか。
    • 主催者の回答おにぎり顔のパターンは41あります。詳しくは開発者のACT8のウェブサイトをご覧ください>>https://www.act8.tokyo/
    • 練習ワークでは15の顔を選びました。ACT8のおにぎり顔カードは縦横7㎝の正方形です。朝霞のワークショップではサイズを変えずに使いました。大学院生とおこなった検証ワークではおにぎり顔カードを縦横6㎝に縮小しました。
    • 課題にした「吠える犬」(幅5㎝)、「箱に入った捨て猫」(幅3㎝)、「バナナの皮」(幅2.5㎝)は事前に切り絵をつくり、体験者はそれを使いました。
    • キャラクターや小物、背景を学習者が即興でつくるだけでなく、事前に準備したオブジェクトを用いると作業時間を節約できます。ALではワークの目的と条件に応じて柔軟に対応することをお勧めします。
  • 11) 質問(10)「宮崎氏の講演」に関し、ご指摘やご質問があればご記入ください。
  • 表現することについて、改めて考えさせていただきました。表現すると言うことについて、非常に参考になりました
  • (ことば/からだ/ものの)モードチェンジの時に、思考に引っ掛かりができて、思考や感情が深まるというお話でした。モードチェンジが前提なのでしょうか? 各々のモードを自在に往き来出来る様になるのが目的なのではないですか?
  • なるべく担当の授業では教室にドラマを心がけています。
  • 舞台では、「変なものを、素晴らしいものとして輝かせることが出来る」という言葉がものすごく印象に残りました。また、シアターとドラマの違い、プロセスを大事にすると、「本当はこうしたかった」と言えるという事、色々な表現法の「即興性」と「つくりこみ」の幅など、興味深いテーマが沢山ありました。
    • 演劇が、国境を超えるようになったことで、セリフが少なくない劇が増えたというお話で、それは、人と人との間の、違いよりも、共通している部分でのやり取りが増えてきたという事かな、と解釈して嬉しく思っています。
    • 最後に宮崎先生が仰っていた、アニメーションは、感情を、内面からではなく、「外からどう見えるかから考える」というポイントは、上に書いた、アニメーションならではの魅力という事に関わっていると思います。
  • このようなアニメーションの周辺領域の講師からの情報はとても刺激的だと感じました!
    • アニメーション関係者の枠に収まらないことが大事ですね。
    • 非常に興味深かったです。演劇の「黙るな、動け、嘘をつけ」学校教育と正反対ではないかというのは考えたことがありませんでした。フリーズフレームはアニメーションの演出を考える時にも使えますね。
  • 13) 質問(12)「津堅氏の講演」に関し、ご指摘やご質問があればご記入ください。
  • アニメーションと教育について、歴史的文脈と言う意味で、興味深く拝聴いたしました。映画研究的立場からすると、文化映画との関わりなども考えてみると、さらに興味が広がりました。また、美術とアニメーションとに加え、国語や情報でのリテラシーとしての映像表現などにも絡めて、さらに広がるお話があれば、お伺いできればと思います。
  • 極論として後追いを検証してフィードバックしていくのことを重視した時、「予め」想定されているべきことは何になるのでしょうか。
  • アニメの歴史などがわかった。
  • 歴史という観点からの講義、特有の分かりやすさ故に、アニメは色々な用途に活用・利用されるという事実、大変興味深かったです。また、映画「Future War」のお話を伺って、最後にE氏も質問していらした、リテラシーの育成をする場も設けることの重要性も感じました。
    • このケースでは、議論が最後までなされなかったそうですが、本来は、作品を鑑賞して、観客の間の議論が設けられるような社会が理想なのではと思いました。
    • 最後の質疑応答の時間で津堅先生が指摘されていた、時間制限(50 分単位)や、教育現場での評価の問題は、今の教育現場に AL を根付かせるために、たしかに考察しなくてはいけない部分だと思います。(その先にある、理想の社会では、そのような制限はなくなっていることを願います)。
  • 短い時間で上手に整理されていたと思います。
  • 「形 forme」のインタビュー記事を読むには出版社から検索してくださいとのことでしたが、出版社名をメモできず、検索できませんでした…
  • 15) アニメーテッドラーニングについてご指摘、ご質問等があればご記入ください。
  • アニメーテッドラーニングという言葉は初めて聞きましたので、どんなものか、とても興味深く視聴しました。アニメを作るというと難しく考えてしまいがちですが、拝見した映像から想像するともっと敷居の低いものだと理解できて実践できそうです。ありがとうございました!
  • 日本語教育をしています。楽しく学べる教材開発に興味があります。楽しく学べる学習活動、参加者が自らまなべる。絵、絵本、写真、紙芝居、アニメを使って様々な活動を考えています。一部は実践しています。アニメ―テッドラーニングも魅力がある方法だと思います。
  • 様々な角度からのお話が聞けた、大変有意義なフォーラムでした。
  • 参加できて大変嬉しく思っております。今後ともよろしくお願いいたします。
  • 大学では「物語性のある映像」の作り方を教えています。「情報の物語化」には非常に興味があります。
  • 子供の博物館キッズプラザ大阪にアニメ制作コーナーを常設するためにアニメを簡単に作る方法を考えてきて、ひとコマアニメーションに到達しました。これで毎日アニメが作られています。制作時間は5から10分です。
    • https://9vae.blogspot.com/p/blog-page_15.html
    • これは教育ツールになりそうに感じていて、専門家を探していました。
    • 9VAe はカスタマイズが簡単で、キッズプラザに無償でソフトを提供しました。次はアニメーテッドラーニングの実践で使えるフリーソフトを無償提供しようと思います。
  • アニメーテッドラーニングとは、何でしょう…

4.主催者、アニメーテッドラーニングらぼのふりかえり - 目的達成の自己評価

  • 共同研究者の昼間氏と荒井氏が指導者向けガイダンスを検証し、アニメーテッドラーニングの可能性と課題を整理された上で、ゲスト講師宮崎氏が獲得型教育研究会のドラマ技法実践を紹介、同津堅氏が戦前から最近までの日本のアニメーションと教育の歴史を概観された。
  • コロナ禍でリモート開催としたために、日本各地からだけでなく、欧州で日本語指導に獲得型教育を取り入れる教師数名が参加してくださった。
  • 教育関係者はアニメーテッドラーニングに可能性を見出し、アニメーション関係者はドラマ技法等を知ることができたと好評で、アニメーション界と教育界の連携の入口を提供でき、目的を達成した。

共同研究者報告、ゲスト講演、リモート参加者との意見交換から得られた知見

  • アニメーテッドラーニングはアニメーション界だけで進めるのではなく、教育界など他分野の人たちと話し合い、可能ならば協働しながら広めるのが良いことを改めて確認した。
  • 獲得型研究会の宮崎氏の「教室にドラマを」は、アニメーション側には刺激的であった。例えば、「ワークショップや授業に参加している子どもの性質を見極めて、指導法や課題を変える」という柔軟性が学校の授業でもあるという話は目から鱗で、ALと大いに通じる。
  • リモート参加A氏が紹介された「9VAe」のような簡単にアニメーションをつくれるツール、AI人工知能を介在させるツールを使うことで、アニメーション制作の技術はAIに任せて、学習者は「伝えたいコト」を探求し、それをアニメーションに置き換えること(表現法)に集中でき、子どもでもより豊かな表現ができるかも知れない。今後もアニメーション制作を支援するツールを外部に求めたい。
  • 指導者向けガイダンスは緒に就いたばかりで、教育者や社会活動等のファシリテーターにガイダンスを使っていただき、フィードバックを開発に反映したい。開発中の練習ワーク0~2はアニメーション制作経験のない指導者がアニメーテッドラーニングに馴染み、教室等でのアニメ制作のハードルを下げるために、アニメーションの特徴(※)や表現法、機材や道具の準備と工程説明をカバーする入門解説として充実させたい。そのため、意見交換会やワークショップも回を重ねたい。
    • アニメーションは「モノが動いて見える/モノが変化して見える」仮現運動によって”動き”を知覚させます。この動きは、動きそのもの(モノの移動、大きさや形の変化)だけでなく、その映像を見た者に、その動きに意図や意味を感じさせることがあります。つまり、つくり手が動きに込めた意図や意味です。アニメーテッドラーニングは、この動き/変化が感じさせる「つくり手の意図や、なんらかの意味がある」を重要視し、学習者がその考えや情報・知識を表現する手段として用います。
    • 練習ワークは、アニメーションの動き/変化が表現手段となることを体験できるように設計しています。
    • 「練習ワーク0」は特にアニメーションの上記特徴を体験する、体感することを目的としています。共同研究者 昼間氏が指摘するように「練習ワーク0」と「練習ワーク1」をつなく練習ワークなど、学習者が学び、考え、仲間と話し合いながら深める意図や意味、すなわち「伝えたいコト」をアニメーションに置き換えるのを支援する教材を拡充したいと考えています。

  • 本フォーラムは、アニメーテッドラーニングの日本における普及促進を目的とし、一般社団法人アニメーテッドラーニングらぼと文化学園大学 文化・住環境学研究所との共同研究の下に実施されました。
  • 無断転載・無断使用を固く禁じます。
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