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実施報告 ひるさんのこれがわかると、アニメができる!Vol.2 指導者向けアドバンス講習会

実施概要

  • 日 時:2023年3月5日(日) 17:00-20:20(日本時間)
  • 場 所:Zoom
  • 参加者:10名
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  • 「ひるさんのアドバンス講習会」の第二弾です。
  • 本日のテーマは「映像で伝えにくいモノ/コトを、映像で表現する」です

アイスブレイク

  • ワンページャー自己紹介。
    • 参加者には「ワンページャー」を宿題として参加者に事前準備していただいた。
  • ●「ワンページャー」を事前に作成する。
    • ワンページャーは、1ページ、プレゼンテーションのスライドのようなもの。文字に限らず、絵、写真、図表そして動画を駆使して、自分の「アイデア」を書き出す。
  • ●お題:(1)か(2)を選ぶ。
    • 1.自分の活動紹介と、どのようにアニメーテッドラーニングを取り入れたいか?アイデア出ないのはなぜか?
      • または
    • 2.わたしはアニメーテッドラーニングをやってます。うまくいってます/失敗しました、/困ってます。
  • ●1分間プレゼン
    • アイスブレイクで、ワンページャーを見せながら、1分間プレゼンをする。
  • ひとさん(アニメーテッドラーニングらぼ 伊藤裕美)のワンページャー
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  • 参加者のワンページャーは個人情報が含まれるため、公開を控えます。

ワークショップの内容

17:00オリエンテーション、アイスブレイク―ワンページャー自己紹介
17:50レクチャー 「マンガの表現を知り、制作に役立てよう」
19:10ミニワーク 「3枚絵で物語をつくる」
19:30発表、まとめ
20:00意見交換
20:30終了

レクチャー「マンガの表現を知り、制作に役立てよう」

    • 講習で紹介したマンガの図版は著作権等の関係で本報告で掲載できないため、割愛しました。ご了承ください。
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  • ひるさん:
    文化学園大学で教えている。アニメーテッドラーニングは、荒井知恵さん(のんきさん)と一緒に共同研究。
  • 「指導者向けアドバンス講習会 ひるさんのこれがわかると、アニメができる!Vol.1」で、2枚で伝える、動きによって物を伝えると伝えやすくなる、という話をした。
  • 今回のVol.2では当初、映像に加えて音(サウンド)を活用し、内容を伝えやすくすることを話そうと考えた。
    しかし、「音(サウンド)」の前にやったほうが参考になることがあると考え直して、「絵」を使ったミニワークを行うことにした。
  • 今回のポイントは、映像で伝えるのが難しいモノ/コトを映像でどのように伝えるか
  • これは、映像制作を勉強している学生も直面している問題。
  • 映像で何かを伝える場合、どうすればより伝わるかを考えるのが大切。
  • 皆さんと考察していきたいのが「マンガ」。
  • アニメーション(以下、アニメと表記しても同意)とマンガは一見似ている。
  • そこで、アニメ制作でも「マンガ」の表現を応用すると、伝えたいことがより伝わるのではないか、と考える。
  • アニメーションを作るにはとても時間がかかる。時間を考えると、ちょっと無理かな、となっているのが今の状況。
  • 「アニメを作る」から、「何かを映像で伝えるコンテンツを作る」へ考え方を切り替えると、もっと気軽に取り組める
  • 動かなくても伝わるものがあるかも知れない。「それはアニメか?」という質問が来ることを前提として。
  • アニメーションも映像コンテンツのひとつ。ワンポイントだけ動く部分を作った映像コンテンツでも良い。
  • 「アニメをコマ撮りで細かく作る」、ではなく、「伝えたい情報を映像で相手に伝える」、と考えると、気が楽になる。
  • 映像を作り慣れていない場合、ストーリーボード(絵コンテ)などから始めると、つまづいて先に進めない。
  • プリプロダクション(企画・構成・脚本や絵コンテなどの撮影に入る前の準備)が難関になり、制作に進めない。映像の学生もここで悩む人が多い。
  • 物語を作るぞ、と意気込まなくても、物語できたじゃん、と自然に生み出せる方法を考えた。

3場面で物語が生まれる

  • 昨年12月に文化学園大学の1年生50人に、授業の課題でやってみた。
  • 3つの場面を簡単に描くだけでストーリーが生み出されることがわかった。
  • 実は、コントや漫才、お笑い芸人も、「3つの場面を考える」と、ネタが生み出される。
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  • 先ずは、あえてアニメでなく、マンガの表現を見て行こう。
  • 歴史的な話もしながら、皆さんとマンガを考察する時間を持ちたい。
  • マンガで培われた表現は重要。
    アニメは動きを最初に考えるが、書籍のマンガは絵を動かすことができない。音も出ない。全て静止画で表現する。
  • ある種の制約の中、どうやって表現してきたか。
  • 映画と同じくマンガが生まれて120年超。
    マンガ家たちが、こういう絵を描くとこういうことが伝わる、と考えたところからマンガの表現が広まり、定着した。
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  • マンガは記号の集まり。
  • 約束事をマンガ家と読者が理解している。
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  • この絵は、足が6本あるわけでなく、足をすごく速く動かしている表現。
  • 焦る気持ちを表す「汗」も表現として定着。
  • 以下、レクチャーの解説に用いた画像等は著作権等の関係で採録できないことをご了承ください。
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    • 『ちびまる子ちゃん』(著者:さくらももこ)のような児童向けマンガは、特に絵を大胆にデフォルメする。
      例えば、顔に線を入れて心配や怖さを表す等の表現を多用。
    • 読者はマンガを読みながら、リテラシーを自然と獲得した。表現辞典を読んで勉強したわけではない。
    • マンガ特有の表現がアニメに取り入れられている。マンガの表現を入れると、少ない作画枚数でも伝わる。
    • 手塚治虫の『鉄腕アトム』(1963年)ではマンガの表現をアニメに取り入れ、テレビアニメーションが成立した。
    • たとえば、効果線
    • 肉眼では見えない線を加えて、ものの動きを表す。
    • 『うる星やつら』(高橋留美子著、1978年~1987年)では、線が入ることで、ものすごいスピードで蹴られたのがわかる。
    • 『駿河城御前試合』(平田弘史著、1966年~1967年)では、分身しているわけではなく、侍の周りをぐるぐる回っているスピード感が表れている。動きを感じる。
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  • これはマンガの発明ではなく、日本画にこのような例がたくさんある。
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  • 鳥獣戯画を、高畑勲は12世紀のアニメーションと言った。躍動感ある動きの連続。
  • 最近の研究で、背景とキャラクターの担当が分かれ、分業で描かれていたとことが解ってきた。
  • 現代のアニメーション作りに通じるものがある。目に見えない線などが描かれ、発声していることを表している。
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  • 長刀の周りの線を細かく入れることで長刀を回していることを表現
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  • 牛車のスポークが描かれていない → ものすごいスピードで走っているのでスポークが見えない、という表現。
  • 現代のマンガと同じ。
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  • 碁石を打つ音が発生しているかのような線。
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  • 浮世絵。すごく強い雨を線で表している。
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  • 武者絵。今でいうスーパーヒーローのカードか。細く細かい線で風を表す。
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  • 雷のような強い光線の表現。
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  • 目に見えないものが、あたかもそこにあるかのように表現。
  • マンガとしてこれらが記されたのではないため、マンガのルーツがここにあるとは言えない
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  • 浮世絵には現代のマンガに通じる表現がたくさん見られる。
  • 庶民が愛した浮世絵
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  • マンガの始まり。1841年。マンガ雑誌の1コママンガ。
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  • マンガ誕生と映画誕生の時代は非常に近い。。
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  • 若干の皮肉、風刺をこめて描いたものをマンガ、と言う。
  • マンガは、印刷物として雑誌で配られるもの。印刷、複製されて初めて成立するのがマンガ。そこが絵画との違い。
  • 物語を考えるとき、1コマで表してみましょう、は重要な考え方のひとつ。
  • 1コママンガはアニメーションを作る際にも非常に勉強になる。1コマの中に情報が全て詰まっている。
    • しかし、1コママンガはその時代の事件や出来事が伝えられているので、どの時代に何が起きていたのか、どんな事件があったかを知らないと、後から見てもよくわからない。そこが1コママンガの難しいところ。
    • コロナ禍(新型コロナウイルス感染症の流行)の際にもあった。
    • コミックスの最初。1894年。1895年には映画が発明されている。
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  • コミックスと映画は、ほぼ同時期に新しい表現物として誕生。
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  • Yellow Kidは非常に人気になった。
  • 5人の絵は、1場面目~5場面目として描かれている。最初は枠線が無かったが、時間の経過が表されている。
  • 現代のコミックスと同様に声は吹き出しで表現。
  • その後、枠線で区切ることで時間経過を表すという表現がマンガの約束になっていく。
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    • エジソンが映像機械の箱を発明。
    • リュミエール兄弟は、大きく映す映画を発明。
    • マンガが生まれた時代と同じ。
    • 映画もコミックスも、枠の中で展開する表現。
    • 映画を使ってアニメ作りをした人の多くがマンガ家。マンガ家が、自分が描いたマンガをアニメ化した。
    • マンガ連載のアニメ化は、映画が出来上がった頃に既にあった。
    • ウィンザー・マッケイの『夢の国のリトル・ニモ』。
    • アメリカで、ウィンザー・マッケイが『夢の国のリトル・ニモ』(原題:Little Nemo in Slumberland)を連載(1905年~1911年 ニューヨーク・ヘラルド紙)。
    • マッケイは、コマをひとつひとつを撮影すればアニメになることに気づき、一人で5000枚くらい絵を描いてアニメを作った。
    • マンガと映画とアニメは似たような時代に発明され、お互いがお互いの表現を上手に利用した。
    • 映画ができた頃のカメラでは、速く動くものが歪んで写った。
    • 今でも性能の低いカメラで撮ると歪む。速いものは歪む、というのが映画の時代にわかった。
    • マンガはその表現をいち早く取り入れた。
    • 手塚治虫は、映画の表現をどんどんマンガに取り入れた。
    • たとえば、『新寳島』(1947年)の1場面では、目のクローズアップから顔を小さくする=カメラの後退を表す。
    • 狭い絵から広い絵へ。映画のレンズ的な表現をマンガに取り入れた。
    • マンガは印刷物で大量生産し、色が使えない。白黒で表さないといけない制約がある。
    • そこで、黒と白の間のグレーのグラデーションで表現したり、ディテイルを書くことで色を表現。
    • 制約の中でマンガ表現が培われてきた。
    • 『うる星やつら』(高橋留美子著、1978年~1987年)では、虎柄で「黄色」を読者が認識する。
    • マンガを読む際に、細かく見ることはあまりないだろう。普通、見開きを読むのに30秒くらい。
    • 描き手が用意した情報はものすごく多い。
    • マンガは音をあらわすのが不得手な媒体。
    • 『サザエさん』(長谷川町子著、1946年~1974年)では、音符を空中に漂わせることでサザエさんが鼻歌を歌っていることを表現し、その表現が定着していく。
    • 『のだめカンタービレ』(二ノ宮知子著、2001年~2010年)では、音符がとても上手く使われている。音の強弱や、どのように聴こえてきたか、も表現されている。
    • 枠線を音符が超えていく・・・、ページをめくると、枠線の外から音が入ってきたり。
    • 音の表し方としてすごい発明をしている。
    • 『暗殺教室』(松井優征著、2012年~)では、チャイムを字と音符で表す。爆音は大きな音符で表す、等。
    • 夏目房之介の「音喩」
      • 音喩(おんゆ) 『マンガの力-成熟する戦後マンガ』(1999年 晶文社刊)
      • 描き文字として表したオノマトペ(擬音語、擬態語)を指す、夏目房之介による造語。
      • 効果音、心理状態を表す。
      • 擬音語・・・ 心臓がドキドキする。キラキラと光る。
      • 擬態音・・・ 彼女は君にめろめろさ。遅刻で、スケジュールがぐずぐずじゃないか。
    • 日本のマンガはこれがものすごく発達し、音喩で感情や心理を表している。
    • マンガでどう表現すれば相手に伝わるか、長年マンガ家たちが表現を培ってきた。
    • 『うる星やつら』(高橋留美子著、1978年~1987年)では、「ドサッ」は一瞬で落ちたということを表し、☆2つでダメージを表している。
    • 『テルマエ・ロマエ』(ヤマザキ・マリ著、2008年~2013年)では、感情表現の音喩。のぼせるの表現として「カーッ」と入れた。
    • 『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』(谷川ニコ著、2011年~)では、「ガラン」と書くことで、何もない様子を、「カッ」で太陽が照りつける様子を表す。
    • 『岸辺露伴は動かない』(荒木飛呂彦著、1997年~/2018年単行本第2巻発刊)では、「ド」の角度で動きの方向を表す。音が鳴る方向がわかる。
    • 大友克洋は、日本でマンガの表現を変えた人の一人。
    • 1973年、『銃声』でマンガ家デビュー。
    • 1980年、『童夢』連載。
    • 1983年。日本SF大賞受賞。
    • 1988年、『AKIRA』を大友が監督を務め、アニメーション映画化。
    • 『童夢』は団地を舞台に超能力者の戦いを描き、破壊描写などのリアリティを出す画力、映画的な展開で一躍注目された。
    • 音喩のやりかたも変えた。台詞的に音喩を描く。
    • 小さい吹き出しで「どさっ」と書くことで、落ちた音が小さく聞こえる。それにより、ここがものすごく静かだということを表す。
    • また、映画的なカメラアングルをマンガに応用した。
    • 静けさを表す音喩、状況の異常さを表す音喩。
    • もう一人、とりあげたいのが藤子不二雄(藤子・F・不二雄)。
    • 小学校低学年がわかる表現で、すごい情報量ですべてを絵で表した。
      • 藤子・F・不二雄(1933年~1996年、本名 藤本弘)
      • 1951年、『天使の玉ちゃん』でマンガ家デビュー
      • 1954年、小学校の同級生だった安孫子素雄(あびこもとお)とともに上京し、”藤子不二雄”として本格的に活動する
      • 1987年、コンビを解消し、藤子・F・不二雄として『大長編ドラえもん』を中心に執筆活動を続け、児童マンガの新時代を築く
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  • 『新オバケのQ太郎』では、オバケのQ太郎が正ちゃんの家に戻ってくるが、誰も相手にしてくれない、というエピソードがある。

    • 隣のおじさんだけが話し相手。
    • 見開きがとても重要。
    • 誰にも相手にされず無視され、オバケの国に帰ってしまうというある種残酷なシーン。
    • 第1巻の見開き(P14-P15)はものすごく力を入れて描かれ、Q太郎の心の動きが表されている。
    • 大きなコマで描かれているのは、重要な情報があるから。
    • マンガは、読み手の長年の読書により、それが何を表しているかわかるようになっていったと言ったが、読める記号と読めない記号がある。
    • 格子状の部分は「障子」を意味し、場面の部屋は和室であることを表している。
    • 正ちゃんのお父さんは新聞を読んでいる、お母さんは包丁を持っている。父親は着替えて新聞読みながらタバコでくつろぎ、母親は晩御飯の用意。これは、今はコンプライアンス的にできない表現だが、当時は普通の家庭の姿だった。
    • 和室の箪笥の上に時計が置かれ、5時10分を指す。この日が休日であることがわかる。
    • ジャケットで秋か冬であることがわかる。
    • 端っこにテレビが見えるのでここが居間であることもわかる。
    • 情報量がものすごい。
    • 足を上げて描くと、歩行していることを表す。
    • 誰からも相手にされないQ太郎のアタマから煙が出ることで、怒っている様を表す。
    • 目がクルクル回り、唇が歪み、漫符を描くことで、Q太郎がショックを受けたことを描く。
    • 正ちゃんの部屋から出てきて月明かりに照らされたQ太郎の顔に影。
    • 後ろからライトを当てる位置にQ太郎を立たせた。映画のライティングの効果をマンガに使っている。
    • 夜の表現で、時間の経過を表す。
    • 満月の灯りと黒ベタで夜を表しているが、隣のコマでは後ろがグレイ。一晩中屋根で泣き明かしただろうことがわかる。
    • マンガは、小学生向けのマンガでも描き手はこれだけの情報をこめて描いている。
    • 日本のマンガはすごい情報量を絵で表している。
    • アメリカのコミックスより表現が細かい。
    • 音やオノマトペを絵のような文字でどうやって伝わるかをマンガの中で研究している。

ミニワーク「3枚絵で物語をつくる」

  • 物語が生まれることを体験してもらうワークを行う。
  • 3枚の絵により、3通りのことを表すことができる:
    • 動き始め → 動きの中間 → 動き終わり
    • 動きの前 → 動き始め → 動き終わり
    • 動き始め → 動き終わり → 動きの後
  • 皆さんへのお題は「傘」。
  • 今日描くのは、撮影してアニメにすることは考えず、3コママンガと考えてください。
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  • この2枚の絵に続く、3コマ目を考えてください。

ミニワークの発表「3枚の絵で物語をつくる」

  • YTさん
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  • SMさん
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  • KAさん
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  • ひとさん
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  • RJさん
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  • HMさん
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  • FYさん
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  • BNさん
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  • HKさん
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  • なみさん
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  • ひるさん:
  • 3つで何かを考えるのは昔からコントや漫才のお笑いの人たちがやってきたこと。
  • 物語を考えるときに、3つの場面が重要。
  • 3つの動き(3つの場面、3つのセリフ)の連続で、物語が生まれる
  •          ↓
  •         喜 劇
  •         漫 才
  •         コント
  • ドラマは3つの台詞で成立する。
  • 君塚良一氏(脚本家、映画監督、放送作家)は、「ドラマは3つの台詞から作られる。台詞というのは2つでは成立しない」とし、リアクションが重要であるとした。
  • ダメな例
    • 恵子「きょうは、カレーよ」
    • 一郎「あ、そう。カレーね」 → 会話が終わってしまう。
  • お笑いは、フリ、オチ、フォロー。視聴者が何が起きたかを理解して笑うための時間をとる。
  • 萩本欽一氏(コメディアン)は、「お笑いというのは、フリ、オチ、フォローのセットで成り立つ」とした。
  • フリはまっすぐに、オチは鋭角に。フォーローは視聴者が笑う時間のこと。気持ちよく笑う時間をとって次にいかないとダメ、とした。
  • 若い人たちはマンガやお笑いが好き。アニメを作る際に、アニメではない外のこと、マンガやお笑いを参考にすると、物語を作るのが難しいという悩みを解消できる。
  • 物語をつなげていくとお話が出来てしまう。
  • また、マンガの表現としての効果線や音をアニメ作品でも取り入れるとより伝わりやすくなる。
  • アニメーテッドラーニングは、たんにアニメ作りをするだけでなく、考えるための、伝えるためのメディアという考え方だとすると、「アニメはこう作らないといけない」という制約はあまり関係ない。
  • こうやればもっと伝わるということがあれば、伝わるためにどんどん利用していく。
  • マンガの表現と、3つのコマ、最後のコマを考える、そこで出来た物語を積み上げるということをワークでやってみた。

意見交換

  • ひとさん:
  • ありがとうございました、ひるさん!
  • 本日のテーマとした「音声(サウンド)」は改めて、次のひるさん講座などで取り上げたい。
  • 「音」もアニメに加えると学習に使っていただきやすいのではないかと考えている。
  • 皆様から、3コマをこんなことに使えるのでは、授業で活用できるのでは、など、ご意見・感想をお聞きしたい。
  • FYさん:
  • 今日は一人で絵を描いて物語を考えたが、日本語を学び始めたかた、学びが進んでいる方等が一緒に作るのも良いのではないかと感じた。
  • フィリピンの方々のおしゃべりサロンがある。ただおしゃべりするだけでなく、色々な人が混じっている集団で小さなグループワークとして、3つの絵でお話を作り、オノマトペを取り入れたりすると良いと思った。
  • 皆マンガが好きだし、おしゃべりだけでなく、作品が残るのが良い。
  • 作品と一緒に写真を撮ったりして、おしゃべりサロンがもっとダイナミックになると思った。
    • 参考)ワンページャー自己紹介でFYさんが紹介してくれた、フィリピンのカナアートのコンペティション「Philippine Kana Art Competition」も参考にしていただきたい。
    • JSP – Philippine Kana Art Competition>>
    • フィリピンの学習者の個性豊かな表現力が伝わる。
  • ひとさん:
  • チームで話をつくるというのが良い。スマホも不要だし何も材料が要らないので手軽に出来る。
  • HKさん:
  • 色々考え直した。表現手段にこだわらず表わそうというものに対してはあらゆるメディアが利用できる。
  • 言語学のひとつの潮流としてマルチモダリティが見直されている。言語表現にこだわらず色々な手段を使えるというのが学習に有効。
  • 西洋美術史、芸術史を見ても、色々な表現を取り入れながら進んできた。
  • ルネサンスの宗教画も日本の絵巻物に通じるものがあり、鑑賞者はアニメ的に見ていた。
  • 印象派の技巧で木の葉が風にゆれているのをぼかしで表現したりというのもアニメ的。
  • 表現技巧から見直すと色々と面白そう。
  • SMさん:
  • FYさんのご発言で、春学期にやりたいことを考えた。
  • 色々な視点から色々なアクティビティが考えられる。3コマは使いやすく、共同で話し合うツールとしてとても良いと思った。是非試してみる。
  • ひとさん:
  • 前回は2つの絵でアニメ。今回は3つの絵で、これは一つのシーンのカット割り。
  • 3つに分ければ一つのシーンが出来る実験になった。
  • 何カットも作らなくても、3カットで1つのシーンが成立することを今日は体験。
  • コマ撮りしなくても、視覚的表現と言語との行き来が自然に出来れば日本語の表現力も高まるし、他にも活かしていける。
  • KAさんの仮名文字の分解でも、1つの文字に対して物語ができると、より記憶に残るのではないか。成人学習にも使えるのでは。
  • KAさん:
  • 記憶に結び付ける際にストーリーがあると確実に残っていく。作成は難しそうだが、効果は高い。
  • ひとさん:
  • 作るのは厄介かもしれないが、手を動かしてもらうと面白いものができるのではないか。
  • BNさん(チャットより):
  • 2枚から3枚に変えることで物語が生まれるということに、なるほど!と納得しました。
  • すごく可能性が広がる気がしました。
  • YTさん:
  • 前回の講習会よりも、3コマのほうが速くできた。
  • 色々なパターンがすぐに浮かんだ。3コマのほうが作りやすい。
  • こういう想像力を豊かにする活動を授業にとりいれたい。
  • 川柳や俳句を作るときにも絵の表現をとりいれたら俳句も川柳も描きやすくなった。絵も手段だと思った。
  • RJさん:
  • これなら時間的にも初級クラスで使えると思った。
  • いつも素晴らしい情報や作り方を教わってもなかなか実践に結びつけられずにいたが、これは使える。
  • 萩本欽一さん、君塚さんのお話を聞いて気づいたが、第3回国際小噺合同発表会が4月30日にあり、小噺でもAさんが言ってBさんが答えて、オチ、となる。
  • そこともつながるな、と思った。
  • 初級にはお題を出した方が良い。今日も「傘」というお題を出してくれたからできた。
  • なみさん:
  • 皆さんが3コマアニメを作るとき、発表するとき、楽しそうだったのが印象的。
  • 是非それぞれ実践で試していただき、それを報告してほしい。
  • ひとさん:
  • アニメは動いてなんぼとは思うが、それは見る人にとっては二の次で、何をどう使っても良いし、何を伝えるかが重要。
  • つくり手にとっては10万枚描いたことが大事でも、見る側には関係ない。
  • 試すのを躊躇されてしまう前に、動かなくてもアニメだ、と。こどうやって伝わらせるか、が大事。
  • 動かすところをポイントで動かすなど、シンプル化する例を今日はたくさん昼間さんに紹介していただいた。

事務局よりお知らせ

  • 次回のひるさん講座では、音声や演出についても触れたい。
  • 2023年3月21日、17時~のオンラインフォーラムに是非ご参加ください。
  • フォーラムと言っているが、「実践報告とモヤモヤを吐き出す会」だと思っている。
  • 今日は「授業に取り入れられる」と伺ったが、取り入れられないなら、なぜ取り入れられないのかを伺いたい。
  • 皆さんが少しでも授業で実践したことを紹介していただき、情報共有や、意見交換の機会を作っていきたい。
  • ひるさん:
  • 3コマについては、学生で試してみて短い時間でできたので紹介した。
  • チャンスがあれば何かまた紹介したり、ミニワークもやっていきたい。
  • BNさん(チャットより):
  • 3コマ、早速次の授業で使ってみようと思います😁 ありがとうございました!

  • 本講習会は、アニメーテッドラーニングの日本における普及促進を目的とし、一般社団法人アニメーテッドラーニングらぼと文化学園大学 文化・住環境学研究所との共同研究の下に実施されました。
  • 無断転載・無断使用を固く禁じます。
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