参考例 練習ワーク2と3 課題の物語化、具象化とアニメの設計(アルファ版)

  • 新型コロナ感染症の拡大期のため、対面ワークショップ等をおこない難い状況が続いており、本稿は弊法人のスタッフが1名でおこなっています。(2021年4月現在)
  • 練習用課題
  • 気候変動、マイクロプラステックによる海洋汚染と海洋生物の危機、アートと科学を融合させる、Tara Océan 財団(タラ オセアン財団)の「タラ号プロジェクト」です。
  • 朝日新聞 2030 SDGsで変える」に掲載された記事をアニメにします。
  • 課題掲載のウェブサイト
  • アイコン写真:航海中のタラ号 ©Sacha Bollet / Fondation Tara Océan
  • 関連記事のウェブサイト
  • アイコン写真:タラ号で大小島真木さんが制作した「私たちの海と森の肺」©Noëlie Pansiot / Fondation Tara Océan
  • 本稿に示す工程
  • 本稿で使えるワークシート
  • 本稿で使えるワークシートがダウンロードできます。

課題の物語化と具象化 (1) キーワード出し、ブレインストーミング

  • 学習者が課題から「伝えたいコト」を決めて、それを物語にし、視覚言語のアニメーションに置き換えます。
  • まず、課題からキーワードを付箋に書き出し、関連あるキーワードをグループ化して、物語の骨子となるキーワードあるいはキーワードグループを決めます。
  • キーワード出し
  • 関連語を分かりやすくする、出展資料別にするなど、付箋の色や形を変えると分かりやすくなることもある。
練習ワーク課題のキーワード1
  • キーワードのグループ化 前半
  • 大まかにグループ化する。
練習ワーク2課題のキーワード2
  • キーワードのグループ化 後半+課題掲載の画像添付
  • キーワードを4つのグループに分類し、関連する画像もキーワードとして添付する。
  • 単語だけでなく、短い文章、図版もキーワードにできる。課題から「伝えたいコト」を選び出すために、学習者が重要と思うことを書き出すように指導しましょう。
練習ワーク課題のキーワード3

課題の物語化と具象化 (2) 物語のプロット(あらすじ)、三題噺と三幕構成<はじまり→発展→終わり>/起承転結

  • キーワードとそのグループをつなげて、物語のプロット(あらすじ)をつくります。
  • 本稿では、ブレインストーミングで付箋に書き出したキーワードを別途書き出していますが、作業時間や学習者の学齢を考慮して、付箋から「ブレスト話し合いの記録シート」記入に直接進んでも構いません。
  • キーワードをグループにまとめて書き出す
  • まず、キーワードを4つのグループにまとめました。
  • 次に、4つのグループは前半と後半に分けられるため、キーワードグループ1と2、キーワードグループ3と4をつなぎます。
練習ワーク課題のキーワードグループ化
  • キーワードを三幕構成<はじまり→発展→終わり>あるいは起承転結に構成する
  • 今回は三幕構成にしてみました。
練習ワーク課題のプロット
  • アニメで描く5W1H、3W1H <だれが・なにが/いつ/どこで/なにを/どのように/なぜ>をキーワードから選び、書き出す
  • 具象化のイメージをチームで共有しながら作業を進めるため、キーワード出し→三幕構成のプロットの工程を「ブレスト話し合いの記録シート」に記入します。
  • 本稿ではワープロ入力していますが、手書きで構いません。
  • ブレスト話し合いの記録は具象化とアニメの設計の指針となるため、書式は違ってもワークでの話し合いは記録しましょう。

課題の物語化と具象化 (3) 4画面物語/3画面物語で物語の具象化

  • 物語のプロット(あらすじ)を4画面物語/3画面物語にします。
  • 4画面物語/3画面物語は、三幕構成<はじまり→発展→終わり>や起承転結の基本構成となり、文字を絵に置き換えながらアニメとなる映像イメージをつくります(具象化)。
  • 起承転結を1画面ずつに割り振る。ここでいう「画面」とは、起承転結を4つのシーン(場面)に分けてそのシーンを代表する「アニメの画面」と考える。それぞれの「アニメの画面」は、シーンに登場させる主なキャラクターやオブジェクト、背景で構成する。
  • 三幕構成<はじまり→発展→終わり>は3つの画面にするか、「発展」を2つに分けて4つの画面にする。「4画面物語/3画面物語シート」に記入する。
  • 絵、絵文字や記号を用いると、具象化のイメージを作りやすくなる。作画の巧拙は問わない。絵が描けなれば、課題の図版や学習者が見つけた資料の写真等でコラージュしても良い。
  • 課題だけでなく、図書、新聞、インターネットなどから見つけた資料図版の出典を記録しよう。本稿では、写真に出典や(c)クレジットを記している。参考例>>

アニメの設計 (6) ストーリーボード(アニメの設計図)

  • ストーリーボードでシーン毎あるいはカット毎にアニメを設計します。
  • この工程は難度が高まるため、基礎的なアニメつくりの経験者向けです。経験の少ない学習者や学齢の低い学習者なら、前項の「4画面物語/3画面物語」からアニメつくりへ進みましょう。
  • アニメは一人でも制作できますが、アニメーテッドラーニングではチームワークを勧めています。ストーリーボードは「アニメの設計図」として、複数の学習者が一つのアニメをつくるために、チーム全員が知っておかなければならないこと(重要事項)を書き記し、学習者が作業中に確認しながら、一つの目標に向かうための指針となります。
  • 練習ワーク3のストーリーボード例
  • 前項の「4画面物語」をシーンに分け、シーン毎の内容やテロップなどアニメつくりに必要な事項を「ストーリーボードシート」記入。
    • キャラクターや背景などは絵を描かなくても、課題や調査資料の図版などを用いてアニメはつくれます。ただし、図版などの著作権等権利者の許諾をとるか、アニメのエンドクレジットに著作権等を表記するなどをせねばならないため、ファシリテーターは学習者にアドバイスしましょう。
  • 本例では、この時点で決まっていないこと、確認を取らねばならないことなどを赤い文字で記入。
  • この後に決まったことや変更したことはストーリーボードに記入していく。
  • ストーリーボードが決まったら、キャラクターや背景などを作成してコマ撮りをする。
Work3_storyboardR1_Page1
Work3_storyboardR1_Page2
Work3_storyboardR1_Page3
Work3_storyboardR1_Page4
Work3_storyboardR1_Page5
Work3_storyboardR1_Page6
Work3_storyboardR1_Page7
Work3_storyboardR1_Page8
Work3_storyboardR1_Page9
Work3_storyboardR1_Page10
  • 本稿では次のサイトなどに掲載された図版を用いています。

本ガイダンスは、アニメーテッドラーニングの日本における普及促進を目的とし、一般社団法人アニメーテッドラーニングらぼと文化学園大学 文化・住環境学研究所との共同研究で作成されました。アニメーテッドラーニングの普及促進やその実践のためならば、著作権保持者の許可なくこのガイダンスのコピーや転載ができます。その際は出典(本サイトURL等)と下記のコピーライトを明記してください。

© 2021 一般社団法人アニメーテッドラーニングらぼ/Animated Learning Lab in Japan-ALLjp. All Rights Reserved.