実施概要
- 日 時:2025年3月22日(土) 17時~19時(日本時間)
- 場 所:Zoom
- 参加者:11名

フォーラムの内容
17:00 | オリエンテーション |
17:03 | アイスブレイク 挙手ゲーム わたしの顔を描こう 「わたしの顔」を見せながら自己紹介 |
17:23 | アニメーテッドラーニングらぼの24年度活動報告 一般社団法人アニメーテッドラーニングらぼ 代表理事 伊藤裕美 |
17:32 | <<意見交換>> <<まとめー各自の感想など>> |
19:10 | 終了 |
オリエンテーション、アイスブレイク
- ひとさん(伊藤裕美‐アニメーテッドラーニングらぼ)
- アニメーテッドラーニングにわくわくしている日本語教師グループ(「AWN」)の御協力を得て開催。
- わくわくしていきましょう!
- (本日のアジェンダの説明)
- Padletに自己紹介やご意見などを入れてください。
アイスブレイク:挙手ゲーム

アイスブレイク:わたしの顔を描こう、自己紹介


アニメ―テッドラーニングらぼの2024年度の活動報告
- 発表者 アニメーテッドラーニングらぼ、伊藤裕美(ひとさん)

- 弊社の活動は「アニメで、アイデアを伝える、発信できるひと」を増やすことを目的としている。
- アニメーテッドラーニングのプロセスのコアは「伝えたいコトを見極めて、アニメへ置き換える」。
- ゆかいだったら伝わっていきやすくなるだろうと考える。
- 難しいことを難しく言うのは、ある意味簡単だが、いろんな表現をやってみると良いだろう。
- 「アニメで」としているが、「自分の得意な表現で」と置き換えてもらっても良い。
- 弊社主催のワークショップを5,6年続けている。

- 高校生と日本語学習者のワークショップはオンラインで、小中学生+地域のおとなや高校大学生のワークショップは対面でおこなっている。
- 小中学生のワークショップは、地域のおとな・高校大学生が先生役になり、川で体験したことをアニメで表現。
- 高校生のワークショップは完全オンラインで、フランス、アイルランド、中国、フィリピンから参加。日本の高校生と。美術大生リーダーが参加。今年から、これまで参加した高校生が大学生リーダーとして戻ってきた。
- 「水」に関して考え、「水」のメッセージを伝えるという活動。
- 今時の若いひとたちはアニメのつくり方を教えなくても、創意工夫し、グループで助け合って、短時間でコマ撮りアニメをつくる。
- 詳細は報告のリンクを見てほしい。

- ひるさん(昼間行雄さん)にはアニメーテッドラーニング活動に賛同していただき、先生向け講習会も実施してきた。
- 現在は「つかみのアニメ」をテーマとする講習をしている。
- 報告をネット公開しているから読んでいただきたい。

- アニメ―テッドラーニングのプロセスでは、「伝えたいことの見極め」にアニメ制作が役立つ。
- 単にアニメができではなく、なにを伝えたいかを掘り下げる。
- アニメを発表して、保護者や外部のひとを招き、伝えたいことが伝わったかを振り返る。
- プロセス開発の実績が出てきており、アニメーテッドラーニングのプロセスを広げるフェーズに至った。
- 「Animated」は楽しく学ぶ、学びを楽しく。デンマークの発案者が「アニメ―テッドラーニング」と名付けた。
- 弊社の自主ワークショップで実証できたのは「一緒につくると、楽しい」ということ。
- 一緒になにかをつくることが、日本語教育にも役立つことがかなり見えて来た。
- 中国の高校生を担任する先生も、弊社ワークショップに参加すると日本語の上達が高くなった、と言っている。
- 単に「一緒に」教科書を読む、ビデオ教材を観るのではなく、「一緒につくる」というグループ活動では言語を使わざるを得ない。そのため、日本語、英語、絵など学習者が得意な表現が上達する。
- 「アニメを完成させたい!」という思いに、協調や達成への強い動機が生まれる。
- アニメのワークショップで子どもはケンカしない。とにかく「一緒につくりたい」。
- アニメーテッドラーニングは、やる気、学びの効果を上げることを実証してきた。
- ぜひ一度、一緒にやりましょう。
- アニメーテッドラーニング共同研究者のひるさん(昼間行雄さん)、のんきさん(荒井知恵さん)がZoomに参加。
- ひるさんは大学と大学院でアニメ制作などの表現を教えている。今年度は指導者向け講習会を1回おこなってもらった。
- のんきさんは、ぱらぱらマンガのグループ展(ぱらぱらマンガ喫茶展2025)を開催中で、その現場から参加。
- 高校生と日本語学習者のワークショップに参加している。
- ぱらぱらマンガ(Flipbook)はアニメーションにつながるところがたくさんあり、アニメーテッドラーニングでも「ぱらぱらマンガで自動詞他動詞を学ぼう!」などのワークショップを指導者向けにおこなっている。
意見交換
- ひとさん:
- ここから意見交換。皆さんから自由にご発言を。
- お題のネタ・・・
- みなさんが日頃やっている活動や今後やってみたいこと等、自由にお話しください。

- TIさん:
- 4月から通信制高校の教員となる。教室が文系と理系に2カ所ある。
- 「情報」という教科を教えるにあたって、紙の教科書だけでは面白くない。アニメで、と思っている。
- 高校生につくってもらおうかと考えている。みなさんからヒントをいただきたい。
- ひとさん:
- 教科書を動画的に学ぶための教材を教科書からつくるというアイデアか?
- TIさん:
- 高校生は概念的なことを理解しにくいので、アニメにしたり、吹き出しで対話する形にして、誰かが質問して誰かが答えるなど。
- 高校生が自分で理解したり、友だちに理解してもらうためにアニメが使えれば面白いと思う。
- ひとさん:
- とても良い振りをしていただいた。わたしたちもそういうところを目指している。
- 日本語を教えている先生方が、部分的にでもアニメを採り入れ、学習者自身が教材をつくりながら学んでいくということをやっている先生がいたら教えてほしい。
- TIさん:
- 情報分野の用語の多くは英語だ。
- 「クリル(CLIL、Content and Language Integrated Learning、内容言語統合型学習)」のように、内容を英語で統合して教えるのでも良いかと思う。
- ひとさん:
- BNさんは、アニメだけでなく、「視覚的なこと」や「小噺」もやっている。日本語のストレートな教材でないところのアイデアを話していただきたい。
- BNさん:
- 日本語学習では、ぱらぱらマンガを使ったり、アニメにセリフを付けるのをを何度かやった。
- わたしがつくったアニメに、学生がセリフを付けた。
- いろいろな解釈が出てき、日本語の初級者も上級者も、できてくる結果が違って面白かった。
- UKさん:
- 3年前から中高生クラスを立ち上げた。いろいろ画策しているところ。
- 今年はこれまでのやり方をがらりと変えて、生徒たちが言いたいことをベースに授業を組み立てる試みをしている。
- 日本語の教科書は「敬体(です・ます体)」から始まるが、それを止めた。
- 中高生なので「常体(だ・である体)」、独り言形から始めている。
- これまでに20回やった。
- 文章をつくらせたら、「わたしの猫はかわいい」とか出てきた。そこで、動物を主人公にして、自分の犬や猫になったつもりで、日常生活や言いたいことを言う授業をしたらどうか、これをアニメにしてセリフを付けて、アフレコをしたら面白いかもしれないと思っている。
- アニメやマンガを描くのが好きな学生がいる。アニメは粘土や切り絵で、絵が描けなくても創意工夫してアイデアを出し合いながらつくれる。中高生クラスでやってみたい。
- それを発表して日本の中高生に伝えられたらいい。そのような交流会を設定してもいいかも。
- 発表する場があると良い。日本の中高生からフィードバックをもらえたら、彼らはモチベーションが湧き、もっと日本語やりたい、と思うだろう。
- ひとさん:
- 弊社がおこなう「水」のワークショップでも発表者を広げたい。ドイツの日本語学習者とのコラボができると良い。
- UKさんも、誰かがつくった教材をというより、ネタがあり、そこへのプラスアルファに生徒が加わるということ?
- UKさん:
- 彼らが言いたいこと、表現したいことをベースにして日本語を学ぶクラスにしたい。
- これまでの授業でも、「北海道に旅行に行こう」という題材で、風景のスクリーンショットを撮ってから、「そこで何を言いたいか?」と独り言や友だちに話す活動をしてみた。
- その場に行ったつもりで、「寒い」と独り言を言い、「寒いね」と友だちに言う。
- ひとさん:
- JTさん、どうか?
- JTさん:
- ワークショップをいろいろやってきた。アニメのつくり手として、アニメーションは簡単にできるよ、アニメーションは楽しいよ、とやってきた。
- 最近、それを活かして学習につなげることを意識している。
- 例えば、東京都小金井市に「はけ」というエリアがある。
- 絵を描く「刷毛」を思いつくが、「はけ」は地域の表現で「崖」のこと。地域の崖は自然が豊かで緑が多い。
- 地域特有の自然を学習するワークショップを何度かやった。地元でも知らないひとは多い。
- 「ことば遊び」を大事にしている。「はけ」を学ぶときに、子どもたちに「はけ」を知っている?と訊き、「刷毛」で生き物をつくろう、とやった。生き物を想像して、コマ撮りアニメにする。自分が想像したキャラクターが画面の中に登場する。
- 自然環境を学習し、キャラクターを想像して制作すると、子どもの印象に残り、効果的。
- キャラクターでなくても、文字を切り取ってコマ撮りすると、動くだけで感動がある。
- 動きの印象で、難しいものもスッと入ってくる。
- なにかアイデアを思いつきそうだ。
- ひとさん:
- のんきさんが「パラパラ漫画で日本語を学ぶ」という指導者向けワークショップをおこなった。
- ぱらぱらマンガで動詞を学ぶ 実施報告>>http://alljp.org/ws4teachers070421
- のんきさんが考案した、1枚・10コマの中に自動詞と他動詞が同時に見える教材。
- 絵の線を自動詞と他動詞を違う色のペンでなぞる。

- ひとさん:
- ひとつの概念を理解する際、それをどのくらい理解したかを測るのに別の表現に置き換える。
- ぱらぱらマンガが使えるのではと、やってみた。
- JTさんの「はけ」では、湧水が出ているところを「はけ」と言うと思うが、弊社も東久留米市の落合川で湧水ワークショップをやっている。
- 先生役は、地域に住んでいる水の調査する専門家や水文学の研究者。
- 2,3時間掛けて湧水ポイントを子どもと一緒に歩きながら水質や温度等の調査をする。
- 昨年は防災井戸の探究として井戸を汲むなどの体験学習をしてから、子どもがストーリーテリングをしてアニメにする。
- 学習の定着にアニメ制作を用いている。
- 水質調査のアニメでなくてもよい。体験から学んだことをアニメで伝えるというワークショップ。
- 記憶の定着、理解を深めるために別の言語に置き換えるのは有効で、その「言語」として、子どもが興味を持つアニメを使っている。
- 落合川であそんで、学んで、思い出をアニメにしよう「落合川と井戸をしろう!」ーアニメーテッドラーニング アニメで考える、伝える、わたしたちのまちと未来 2024 実施報告>>http://alljp.org/report-wsochiaigawa2024
- HAさん:
- 大変興味深い話。
- 大学で講師をしており、担当コースが「表現教育コース」。
- 美大とは異なり、演劇教育がベースになるコース。文化施設でのファシリテーター育成なども目指している。
- アニメや美術作家育成が目的でなく、一つの手段としての表現を、どのような学びと結び付けられるかを研究している。
- 学んだことを定着させるための手法としてのアニメーション、体験したことをそのまま表現するのではなく自分が感じたことを表現するためのアニメーションという位置づけも自分の研究に取り入れてみたい。
- ひとさん:
- 演劇手法をなさっているのか?
- HAさん:
- 演劇は別の教員がおり、わたしは美術分野を担当している。
- 自分が学生時代に演劇サークルにおり、身体的なものと美術の技術が重なるところで学生たちに何がおろせるかを考えていきたいと思っている。
- ひとさん:
- 記憶の定着で、「一緒につくる」ということがそれに役立っていると、弊社のワークショップで実感している。
- それに関して、みなさんのご経験からお話しを伺いたい。
- TIさんが出された「情報」教育に関し、ビジュアライゼーションに関わる話、情報をアニメ等に置き換えることでわかりやすくする視覚化の部分など、ひるさん、お話しいただけるか?
- ひるさん:
- アニメーションで表すのは、文字や紙芝居など動かさないで見せるのと何が違うか。それをアニメーテッドラーニング講習会などで常に考えて来た。
- アニメーションにする意味ってなに?と。
- 単純にアニメーションという表現が、特に子どもの興味や関心を引き付けるというのはある。
- 過去のワークショップでは、アニメの上手い下手でなく、自分が考えたことをアニメーションとして表現して観る。
- 子どもたち同士で見せ合った時に、子どもたちが他の子どもたちが作ったものを単純に楽しんでいる。そこから子ども同士のコミュニケーションが活発になることがあった。
- 単に口頭で発表したのとは違う、アニメーションを媒介として子ども同士のコミュニケーションが促進している。
- そこがアニメ―テッドラーニングのポイントと考えている。
- ひとさん:
- 高校生と日本語学習者のワークショップで進化させたいことがある。
- このワークショップ参加者は美術部系、アニメを作りたい高校生が多い。それはそれで良いが、「水」探究では限られた時間で深みが少なく、アニメで伝えたいメッセージが横並びになった。
- 進化させたいのは、理系のオタクと表現系のオタクが一緒にコラボしてアニメで伝える、というは面白くなりそうと考えている。理数系の参加者を強化したい。
- 例えば、プラスチックを分解するバクテリアを常に考えている高校生。彼らの発表をさせると物足りない。バクテリアの動きをアニメで表現したら面白いのでは?と。
- アニメを作っている時間は無いという学生と、アニメをつくりたい学生を合わせたら面白いケミストリーが出てくるかも。
- 専門家が使う言葉はとても難しい。「水」のワークショップをやってくれるエンジニアが良いことを言っている。専門家はみんなに伝わる表現をしなければいけない、と認識している。
- 公的機関や役所の職員にも言いたいことだが、難しい言葉は伝わらない。相手が興味を持つ表現、と言うことでアニメを使う、というのはアリなのでは?と考える。
- TIさん:
- 卒業生でアニメ専門学校に進学した学生が2年生になるので、アニメを高校生に紹介できる?と、訊いてみたい。
- ひとさん:
- 文字を書くように、みんながアニメで表現できるようになると面白いと思う。
- コマ撮りアプリもあり、アニメをつくるハードルは低くなっている。
- HKさん:
- ひるさんがおっしゃった「常にアニメにする意味を考える」というのは大事。
- PPTのスライドやレジュメでも、そのように表す意味。
- 単に活動のための活動にならないように、目的がわからなくならないように、ということも考えさせられた。
- 夢中になって打ち込むのは良い、という潮流が教育分野にはある。エンゲージメントを高める。
- モチベーションを高めるだけでは甘い、学習者を夢中にさせてのめり込ませる、という方向に教育研究者が動いている。
- わたしは、それもどうなのかなと、慎重な立場にいる。
- 何のためにそれをするかという意味は常に持っていないといけない。のめり込むから良いとは思えない。
- TIさん:
- 体育の授業があり、通信制でもスクーリングで出てこないといけない。つまらなそうに立っているだけの学生がいる。
- そういう時にアニメを作らせたり、スケッチをさせてみようかと思った。
- 体育はなんのためにやるのか、というところで思いついた。
- 動作解析をする学生もいても良いのでは、と。
- ひとさん:
- 全員がアニメにしなくて良く、文字で表現するのが得意なら文字で表現すれば良い。
- 子どもたちの周囲はYouTubeなどの動画が溢れている。最初から他人を傷つけるような攻撃的なアニメをつくるより、学校の中で伝わるアニメ、伝わる映像、相手がそれを観てどう考えるかを踏まえてつくる。
- リテラシー、とひとことではいえないが、わたしたちのアニメをつくるには含めていると理解していただきたい。
- 体育をやりたくないが絵をずっと描いている学生に、仲間の動きを絵で分析させるのは面白い。
- TIさん:
- このスマッシュは素晴らしかったとか、絵で分析。縄跳び、バスケ等々。ひとつの体育館なのでできる。
- ひるさん:
- 今の話は大変面白い。それに似たケースが過去にあった。
- 物語の世界だが、マンガ、アニメの『巨人の星』の中で。
- 戦争で肩を壊して巨人軍の選手になれなかった星一徹が、自分の息子(星飛雄馬)を無理やり鍛えて選手にする物語。
- その中で、飛雄馬の同級生で体が弱いアキバくんが、ベンチで飛雄馬の投球フォームを分解して描いていた。
- 飛雄馬はアキバくんをばかにしていたが、星一徹はアキバくんに目をつけ、投球フォームの分析をさせた。それで飛雄馬は、アキバくんすごいと、仲良くなる。
- 一徹は単なる危ない親父でなく、コーチとして見る目があると、子どもの頃感心した記憶を思い出した。
- アニメーションの特性みたいなもの、動き分解することで明らかにする。
- 実写や肉眼ではわからないが、アニメーションにしたときに比較しやすい、動きを抽出しやすいという特性があるというのを実践したストーリーだったと思った。
- ひとさん:
- アキバくんは病弱でスポーツはできないが、絵を描くというモチベーションで野球を勉強して星飛雄馬のフォームを分析した、と。アキバくんにとっても動機付けになったんですね。
- ひとさん:
- マレーシアの日本語学習者のコンペ月間が始まるんですね?小噺や4コマ漫画もあると聞いた。
- ELさん、違う表現を日本語学習に活かしているところ、成果を紹介してほしい。
- ELさん:
- ストーリーテリングに興味がある。
- 言語を勉強するひとが何か言うとストーリーになる。
- どうやって表現するか、いろいろなツールやメディアがある。
- これまでは発話(口を使って)や仕草を使って表現してきた。
- 絵も学生が使っている。
- 絵だけでなく、動画、動きが入ると面白いミディアムになる。
- みなさんの話はとても参考になる。
- 気になるのは、どうしてアニメを使うのか?、何を学習するかが大事ということ。
- 「日本語フェスティバル」を実施しているが、将来アニメもコンペになれば楽しい。
- ただの遊びか、勉強になるか、自分自身で整理した方が良いと思った。
- マレーシアもIT、ITといっているが、何を勉強するか、形だけ、きれいにするだけで、内容があまり深くないのでは、と思った。
- アニメーテッドラーニングの一番の壁は、アニメーションをきれいに作ることに集中しないで、メッセージやストーリーが無いものにならないように、先ずストーリーを重視すること。
- 「水」のワークショップで、川に行って体験するというのはとても良かった。
- 私のアニメーションのイメージはファンタジー、普通なものではない、現実世界でない。
- だから「水」のワークショップは参考になる。
- ひとさん:
- 「ファンタジー」と言ってくれたが、まさにその通り。
- 小中学生と「水」の学習をしてからアニメをつくると、調査結果のアニメではなく、湧水エリアには神秘的な雰囲気があり、子どもたちの印象にある神秘的なところのアニメが出てきて。まさしくファンタジー。
- 子どもたちは水道から出てくる水ではなく、水が地球から生まれてくるという体験を頭の中に残すために、水の精が出てくるようなファンタジーをストーリーとしてアニメに置き換えたとわかる。
- 水質調査をした数値結果でなく、水を身体で感じたことを残すのは面白いと思う。
- はるちゃんは「パフォーマンス合宿」という、パフォーマンスで高校生同士が対面で交流を深めるプロジェクトをしている。
- アニメーテッドラーニングのワークショップにはアドバイザーとして参加。
- オンラインワークショップと、何日も体験をともにするワークショップの両方を見てきて、どうか?
- はるちゃん:
- 絵本『百万回生きたねこ』を題材としたアニメ制作ワークショップの完成作品をチャットにアップした。
- はるちゃん(チャット):
- 2022年1月、日本とロシアの高校生が、絵本『100万回生きたねこ』を使ったアニメ制作(オンライン交流)を行った。
- 3本の動画作品はこちらから>>
- UK(チャット):
- 『100万回生きたねこ』は大好きで、個人授業で使ったことがある。アニメを拝見するのが楽しみ。
- はるちゃん:
- ELさんが「どうやって、ことばをアニメ制作とつなげるか」と言っていたが、その一例になると思う。
- 日本でロシア語を勉強している高校生と、ロシアで日本語を勉強している高校生とのオンライン交流のときに、文化や価値観を意見交換できるといいな、と思った。
- ロシア語に翻訳されている『百万回生きたねこ』(作・絵:佐野洋子)を読み、なにを感じたかを交換し、それをそのまま再現するのでなく、スピンオフ・ストーリーを考えてもらった。
- この先どう展開するか、とか、ねこの気持ちになってみる、とか。
- ロシアと日本の読み方が違って面白かった。
- 猫が死んでしまうのを見て「かわいそう」と言う日本の高校生。ロシアの高校生は「最後に死ぬことができて幸せだった」と、真逆な意見が出てきたり。
- つくられたアニメも、実写映像とアニメを行ったり来たり、自由さがすごいと思った。
- アニメーテッドラーニングの高校生ワークショップでも、実際の映像にアニメを載せいたり、アニメだけでも実写だけでもない、アニメが加わったことで複層的なダイナミックさが楽しいと思った。
- 日露の高校生交流はコロナ禍で、演劇とダンスを組み合わせたパフォーマンスの合宿ができなくなりオンラインにした。
- オンラインで、アニメとVR映像と実写と、全部組み合わせた。
- 自分を表現する。ダンスや演劇のうまさでなく、自分とは何者なのかを理解する。ことばではうまく言えないひとも得意なダンスや身体の動きで表現する。拙くても、それが伝わる。
- ことば以外の表現方法を身につけると、救われることもある。
- 「パフォーマンス合宿」は、この3月は東京で実施する。海外につながる高校生たちが、自分にとって大事な思い出や経験を絵に描いて、絵を示しながら言語を補う。さらに身体を通して表現する。
- 体を通すことで記憶や実感が深まる。アニメも手を使って描き、「動く」というのはリアルと想像の間の産物と思う。
- 頭の中の想像とリアル(体を動かす)体験で、新しいチャンネルができるのではないか。
- 新しい表現ツール、手段。自分を表現する武器を手に入れると、自己表現が豊かになるのでは、と思っている。
- TIさん:
- 新潟県J市の昨夏の実践事例で、小学校のALTの先生と英語科の先生が課外活動でストーリーをつくり、デジタルでアニメをつくって発表会をした。
- ALTの先生がとても良かったから、今年もやりたいと言っていた。
- はるちゃんの話しを聞いて、日本語を使わずに英語で子ども同士が一生懸命に伝え合うのを思い出した。
- J市にいる外国につながる子どもたちが日本語を使いながらできると思った。
- はるちゃん:
- 一緒につくれると良い。制作のためにたくさん対話する。
- 対話のきっかけになる。
- ひとさん:
- 高校生ワークショップで、高校生は中国人だけで日本語ネイティブの大学生リーダー2名が加わったチームがあった。
- 中国語ネイティブが多いから中国語でやりとりするのかと思っていたら、最初から最後まで、Slackのやりとりでも全部日本語で頑張った。アニメのセリフもすべて日本語、発表も日本語でおこなった。
- 手を動かしながら、一緒につくると対話が生まれる。
- 中国の高校の先生が、学生にはとても良い体験になっている、日本語が上達し、日本語を学ぶ動機付けにもなった、と言っていた。
- 日本語を勉強するときに何か(+α)を一緒におこなう。どうせなら子どもがやりたい表現手段でおこなう。その手段のひとつがアニメだと思う。
- HKさん、アニメは日本語を勉強する動機になっていないか?
- HKさん:
- アニメが入り口になる人は多い。これからも多いだろう。
- ひとさん:
- 教える先生が、アニメや漫画じゃダメ、というのでは、学生のテンションが下がるのでは。
- どのような表現でも、自分を伝えるということになるではないか。
まとめー各自の感想など
- ひとさん:
- 最後に、みなさんからひとこといただきたい。Padletにも書き込んでください。
- UKさん:
- みなさんが、アニメだけでなく、いろいろな表現方法を追及していることに感動した。
- 身体的表現や、ELさんが言っていたストーリーテリングとか。
- これからもいろいろなことを教えていただきたい。
- FYさん:
- 去年のアニメーテッドラーニング・フォーラムで、フィリピンの実践を話したことを思い出した。
- そのレポートをチャットに送った。
- FYさんのチャット:
- @ELさん、フィリピンの日本語人フォーラムでの話題をこちらでお話ししました。
- http://alljp.org/report_forum2023
- フィリピンで日本語を学ぶ中学生のキャンプ(合宿)が、中部のボホール島でおこなわれた。
- 島のコミュニティで、社会に変化を起こす、さまざまな活動をしている、おとなのリーダーたち。中には日本人もおり、中学生がそのひとたちに聞き書きをした。
- そこで学んだことを演劇として表現した。さらに、多くのひとに伝えるためにビデオをつくるという課題だった。
- アニメをつくるようにとは言わなかったが、生徒たちの中に、自分たちの表現として、動画の一部にアニメを取り入れたビデオがあった。
- あるグループは、自分たちが体験したこと、実際に話しを聞き、感じたことはネットでリサーチするのとは違った、と。
- 自分たちが感じたこと、学んだことを伝えるためには、アニメで、第三者の架空の人物をつくり、その人物の経験としてストーリを語り直すことが、自分たちにはピンとくる伝え方だと言っていた。
- 生徒の中にあるものから出発したいと、ELさん、UKさんが言っていたが、感じる、学ぶ、共通体験をどうつくり出すか、どのような教科でも、そういうデザインが必要。
- それが実際の社会とつながっていることが大事、Problem-posing Pedagogy(問題提起型教育学)が大事。
- アウトプットも大事。
- 魅力的なアウトプットの機会をつくるには、共同作業、クリエイティブな個性を発揮できる作業がある。
- アニメーテッドラーニングのワークショップを思い返すと、手作業がある。手作業のやり取り、共同作業があるのが良いと思う。それが、アウトプットの一つのレパートリーとして、アニメーションには非常に魅力がある。
- コンパクトなストーリーに落とし込むプロセスで、表現者として自分の経験をどのように伝えるかを考える、アーティスティックなプロセスがあるのが、アニメの面白いところ。
- ひとさん:
- 昨年のフォーラムでFYさんにお話しいただいたフィリピンの高校生のレポートに触れていただきありがたい。
- JTさん:
- 制作する場におり、みなさんの話しを聞いて、自分が感じていた可能性の再確認ができた。
- 子どもたち、いろいろなひとたちが表現しやすいものの選択肢の一つにアニメーションがある。
- アニメーションにする意味は、映像になってシェアすることができるということ。共同作業で、作品はみんなでシェアする。自分というものをみんなと共有して、コミュニケーションにつながるところが面白いと感じた。
- これからもアニメーションの表現を、子どもたちを通じて学びにつなげたいと思った。
- ELさん:
- いろいろ勉強させてもらった。
- ただ日本語を教えるだけでなく、日本語学習を通して学生を成長させたい。
- みなさんが話された達成感、自分のことを知る、自分を表現するということは、わたしに近いと思った。
- マレーシアで2006年から「日本語フェスティバル」を実施している。
- コンペティションが16あって審査員が必要なので、みなさんにも協力していただきたい。連絡ください。
- HKさん:
- いろいろ考えさせられた。どの表現手段をとるにせよ、自分でつくることの重要性が今後高くなる。
- なんでも、映像でも画像でもできてしまう、何も撮影しないで映画ができる時代。
- 自分が何をつくりたいか、制作者の意図をもって表す、真のオーサーシップ。
- 主体的にその作品をつくるというオーサーシップが、今後重要になると考えさせられた。
- BNさん:
- 一番はじめにアニメーテッドラーニングのワークショップに参加したとき、大変丁寧に伝えたいことを見つけていくステップがあった。それがすごく印象に残っている。
- はじめに何を言いたいかをまとめてから、コマ割りを考えて細かいシーンの見せ方や長さを考えた。
- のんきさんは、ボールの動きだけの短いアニメーションを見せて、何を感じるかを考える、ある感情をどのように表せるかを考えるワークをした。
- そのステップがあったことで、教育の中でのアニメーテッドラーニングの意味がすごく腑に落ちた。
- アプリでアニメは誰でも簡単につくれるようになったが、どうやって表現としてアニメーションを知ることができるのか、表現方法としての分析もする、など。
- アニメーテッドラーニングのウェブサイト(http://alljp.org/)の情報はすごい。参照すると良い。
- ひとさん:
- アニメーテッドラーニングらぼが目指すのは、学校教育や公共の場でアニメーテッドラーニング的な表現を繰り返し、漢字を覚えるようにアニメのつくり方や表現を日常的に学習すれば誰でもできるようになる。
- その上で、伝えたいことは何かを突き詰める。自分が得意な表現の一つにアニメがあるというところ。
- 何が何でもアニメでやって、ということでなく、アニメの制作は思われる以上にいろいろなことを勉強しないと表現できないということを含めている。
- HAさん:
- 初参加だったが、温かく迎えてくれて楽しく、たいへん勉強になった。
- 表現方法はアニメーションに限らず、言語化してできるように自分の研究を深めていきたい。
- 学生時代に絵本制作をした。絵本の分野にも関心がある。
- 絵本『百万回生きたねこ』から派生したアニメ制作の話もあった。
- さまざまな表現方法を往還して学んでいきたい。
- TIさん:
- 通信制高校は自学が中心で、教科書と紙に回答を書くような教育手法。
- このように対面できちんと本質的な発言を受け取るという体験が、教育には大事だと感じた時間だった。
- 教育者として対面でできることは対面でやり、場合に寄っては課外活動でオンラインで。高校生をこういう場に誘っても良いかと思った。
- ひるさん:
- 非常にいろんな取り組みやいろんな考え方があり、参考になった。
- アニメーションを子どもたちがつくるワークショップでは、単に個別にアニメをつくって見せ合うだけでなく、活動の最中にコミュニケーションが広がる。
- アニメーテッドラーニングはアニメづくりを勉強する場でなく、アニメでどう自分の考えを伝えるかを研究しているところが面白い。
- コミュニケーションを促進するツールとしてのアニメーション、という捉え方が非常に面白い。
- 教えた学生の中に非常に口下手で、討議に参加するのが苦手な学生がいた。授業の最後の最後に、話すのが苦手でグループで話しができない、どうしたらコミュニケーションが取れるかと、真顔で相談に来た。
- その学生はさっさっと絵を描くのが得意なので、言葉でしゃべらなくても、言いたいことを絵を見せたら、それで伝わる。伝わればコミュニケーションじゃないの?と話した。
- コミュニケーションはことばでやり取りするだけじゃなく、そんなことなのかと、次年時で大きく変わり、グループでの話し合いでも絵を描く係として、話し合った内容を絵でまとめていた。周りの学生とのコミュニケーションが進んだ。
- コミュニケーションはいかに上手にしゃべるかとか、就活のグループ討論などと思われているが、コミュニケーションにアニメーションが使えるのでは、と思っている。
- はるちゃん:
- アニメもダンスも演劇もツールとして使う上で、協力、協働、共創という3つのキーワードが重要と思っている。
- 助け合うだけでなく、協働は一緒に手を動かして課題に向かう。分かり合えない部分もあるが対話して納得のいく価値、文化をつくろうと、新たにつくっちゃうのが、共創と思う。
- 社会や人類のいろいろな課題やまちづくりの課題などを解決しようとするときに、対話や課題を整理し、どのようにアウトプットにつなげるかを話し合いうことが課題解決につながる。
- そのシミュレーション、体感的に学べる。分かり合えないひととも関わって課題解決するコミュニケーションスキル、マインドが、アニメーテッドラーニングやパフォーマンスの体験を通して身に付けられたら良いと思っている。
- なみさん:
- みなさんがとても参考になる発言をしてくださり、ありがたい。
- わたしが最初にひとさん、ひるさん、のんきさんに誘われてアニメをつくったときの感動を思い出ていた。
- アニメはプロがつくると思っていたら、自分が描いた絵が動いた感動。自分も何か伝えられるかも、と思った。
- その後、高校生や小中学生とワークショップをやって、彼らの自由な発想や協調に驚かされた。
- 高校生ワークショップでは国も言葉も文化も違うひとたちが一度も会わずに、オンラインで一つの作品を作り上げることが次々と実現していった。
- そのようなことを目の当たりにすると、アニメ―テッドラーニングは更にいろいろなことが出来るのでは、可能性があるのでは、と思える。
- 最近、自分の仕事で、社会課題の解決にテクノロジーをどう活かせるかということを考える際に、グラフィック・レコーディングを使ってみた。喧々諤々の議論を「1枚の絵」にすると、いろいろ見えてくることがある。
- 表現手法をことばだけに頼らない。整理や伝えたいことの明確化に、視覚化が有効だと思った。
- これからもアニメ―テッドラーニングの可能性を追求したい。わくわくが広がると思う。
- ひとさん:
- 高校生ワークショップに、去年から武蔵野美術大学の学生がリーダーとして参加してもらっている。
- 彼らは彼らなりにどこまで関わっていくかに悩んでいるが、高校生の自由な発想を中心にアニメを作ってくれている。
- アニメはこうあるべきから離れて、伝われば良いと、自分たちなりの表現を見出しているのが素晴らしい。
- 彼らは今年もリーダーをやりたい、と言っている。
- 何が面白いの?と訊くと、美大生は一人で作品作りなどをすることが多いが、みんなでつくるという体験が良かった、と言う。
- 最初はコミュニケーションも難しい人たちが、最後はSlackが大盛り上がりになる体験、高校生と密にやり取りする体験が面白かった、というフィードバックも上がってきている。
- 難しく考えなくても、アニメって面白いと、子どもたちは一つの手段として考えている。
- 分野、教科の横断にアニメーテッドラーニングは使えると考える。わたしは美術科がコミュニケーションのハブになると思う。美術の先生はコミュニケーションの専門家。絵でコミュニケーションできる。音楽の先生もそう。
- アートの方々がコミュニケーションハブになると、日本の総合学習はもっと面白くなると思う。
- 25年度もワークショップを実施し、参加者募集をするので、教え子の方々を誘ってください。
- みなさま、ご参加ありがとうございました。

- これまでのフォーラム実施報告
- 23年度 アニメーテッドラーニング・フォーラム 2023 「多彩な表現」や「動画的表現」と、言語学習、分野・教科横断学習、多文化交流>>
- 22年度 アニメーテッドラーニング フォーラム 2022 実践報告と意見交換 ≪教育や社会活動で、学びとアニメ表現をつなぐ、広める≫>>
- 20年度 アニメ制作と発表で学ぶ「アニメーテッドラーニング」 フォーラム 2020~アニメーテッドラーニングにおける、アニメーション界と教育界の連携>>
- 本フォーラムは、アニメーテッドラーニングの日本における普及促進を目的とし、一般社団法人アニメーテッドラーニングらぼが企画運営しました。
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