実施報告 アニメーテッドラーニングとしま2019

東アジア文化都市2019豊島 マンガ・アニメ部門 スペシャル事業
国際マンガ・アニメ祭 Reiwa Toshima(IMART)
アニメーテッドラーニングとしま2019

アニメーテッドラーニングとしま2019は、アニメーションはプロが制作するエンタテインメントという通念を超えて、一般の人たちが制作し発信するメディアであるとして、学習やコミュニケーションのツールとして利活用するという、アニメーションの新しい制作の考えを元に計画されたワークショップです。
当初3日間の予定(2019年10月12日、13日、20日)でしたが、台風19号の関東通過のため、半日だけの開催となりました。

日程:10月20日(日) 12:30~16:30
会場:大正大学 5号館TSRスタジオ 2教室(東京都豊島区西巣鴨)

主催:東アジア文化都市2019豊島実行委員会/豊島区
協力:大正大学株式会社DACイノベーション
運営:一般社団法人アニメーテッドラーニングらぼ-文化学園大学 文化・住環境学研究所 共同研究2019との共同研究-

ワークショップの目的
◆多様化・国際化する豊島区で、新しい区民や多文化・多言語の背景を持つ人々が、豊島区の人々の暮らしや文化、社会、歴史に関心を持ち、豊島区に愛着を持てるような雰囲気を醸成する。
◆子どもたちが大人とともに、いつまでも豊島区に住み、関りを持ち続けたいと思えるように、区民コミュニケーション拡充の一つとする。
◆子どもも、大人も、外国出身の人々も、文字だけに頼らず、それぞれの表現方法で、自分らしい意見や個性的なアイデアを発言・発信できるスキルを身につける。そのため、視覚言語であるアニメーションをコミュニケーションと学習のツールとして活用する。

参加対象
◆チームで参加できること(1チームは3名~6名まで)。当初は3日間の参加が望ましいとしたが、応募のハードルとなったため、条件を緩和し、全日程参加できない人がいてもチーム参加できるとした。
◆参加年齢:原則として10歳(小学4・5年生)以上。
◆日本語で、日常会話程度のコミュニケーションがとれること。豊島区に定住や就業する外国人が近年急激に増加しているため、外国出身者のコミュニティ等への参加を事務局・豊島区より呼び掛けた。
当初の参加資格は、年齢制限を設けず、豊島区民あるいは豊島区に通勤・通学する人と想定したが、最終的には制限をなくし、「豊島区にゆかりのある人たち」とした。
募集は、東アジア文化都市2019豊島実行委員会/豊島区を中心におこなった。老若男女、さまざまな文化背景を持つ人たちに参加してほしいと、区役所と東アジア文化都市2019豊島実行委員会、IMART事務局は区内のいろいろなコミュニティに参加呼び掛けを積極的におこなった。

参加者
2団体が参加した。
◆豊島子どもWAKUWAKUネットワーク(WAKUWAKUホーム)チームより6名参加。9歳(小学4年生)、14歳(中学2年生)、15歳(中学3年生)、17歳(高校3年生)、19歳、32歳のWAKUWAKUネットワークのスタッフ
◆IMART運営メンバーから紹介された大学生3名(全員が豊島区に来るのが初めてだった)。19歳、20歳、24歳
他に2組が応募したが、台風による中止もあり、参加しなかった。

運営スタッフ
◆全体進行:伊藤裕美(アニメーテッドラーニングらぼ)
◆アニメ制作ファシリテーター:古国府薫、いがきけいこ、細川梨奈(りつやりつこ)
◆大正大学学生ファシリテーター・アシスタント:増田飛影、大野歩未
もう1名学生アシスタントがいたが、授業と重なったため20日は欠席。
9月21日に会場で、学生アシスタントと研修をおこない、全体の予定とグランドルール(ファシリテーターとして注意すること)を確認した後、古国府ファシリテーターの指導で学生がコマ撮りアニメーションを体験した。

チーム編成
WAKUWAKUチームを2つに分け、3チームとした。
いがきファシリテーターと細川ファシリテーターがWAKUWAKUの参加者を担当した。
また、学生ファシリテーター・アシスタントがWAUWAKUの2チームに1名ずつ入り、話し合いや制作をサポートした。

学生たちが、内容の話し合いを含め3時間ほどで作成したアニメーション>>

完成したアニメーションのメタデータ
◆タイトル:ななまるとわたしたち
◆チーム制作のアニメーション:6分22秒(エンドクレジット含む)

【クリックするとYouTubeでアニメーションが視聴できます】

◆作品1ななまる!!オレのはなしを聞け!!
制作者(ニックネーム);白坂、おさる、水島パックマン
担当ファシリテーター:いがきけいこ
内容:僕たちが、ななまるの部屋に遊びに行って、僕たちが好きなものをななまるに話す。
◆作品2豊島区でぼくたち、わたしたちのすきな所
制作者(ニックネーム):りょうこ、ともき、イッシー
担当ファシリテーター:細川梨奈
内容:3人がそれぞれにいつも行く所や遊んでいる所を紹介する。
◆作品3ななまる自販機
制作者(ニックネーム):あおい、りんりん、よしき
担当ファシリテーター:古国府薫
内容:豊島区に初めて来た印象が、多い自販機、学校も多く、活気を表現。自販機から物が飛び出すのは3回続ける計画だったが、時間不足で完成できなかった。

◆完成日:2019年10月20日
◆アニメーション・ファシリテーター:いがきけいこ、りつやりつこ、薫
◆大正大学 学生アシスタント・ファシリテーター:増田飛影、大野歩未、平山優花
◆主催:東アジア文化都市2019豊島実行委員会/豊島区
◆協力:大正大学、株式会社DACイノベーション
◆運営:一般社団法人アニメーテッドラーニングらぼ-文化学園大学 文化・住環境学研究所 共同研究2019との共同研究-
◆使用したキャラクター:豊島区イメージキャラクター「としま ななまる」は豊島区許諾済
◆使用した楽曲:なし
◆アニメーションの権利管理:一般社団法人アニメーテッドラーニングらぼ

顔出し・名前出しの許諾問題
主催者を通じて参加者に「写真・映像等および氏名等の広報宣伝利用に関する同意書」への同意を求めたが、未成年参加者の保護者の一部から許諾を得られなかった。
当初は完成したアニメーションのイベント等での上映やインタネットでの公開を予定していたが、公開方法を現在検討している。
今回、許諾が得られなかった原因のひとつは、参加者確定が実施間際となったため、事前に保護者の同意を得られなかったことにある。顔出し・名前出しは、今後のワークショップでも配慮を要す。

アニメーテッドラーニングらぼ運営責任者の振り返り
アニメーテッドラーニングのライフサイクルの実現度
◆アニメ制作は極めて短い時間となったが、ワークショップ経験豊富なプロのアニメーター3名を制作ファシリテーターに迎えたことで、3チーム各二十数秒のアニメをつくることができ、参加者が「アニメ制作」の満足感を抱き、「楽しい(animated)」体験をしてもらえた。参加者の感想は、添付資料「ファシリテーター日報」参照。
◆通常のアニメ制作ワークショップではなかなかおこなわない、「上映と振り返り」はおこなった。これはアニメーテッドラーニングの特徴であり、短時間ながら、全員でアニメを見てから感想を述べ、チームに分かれて振り返りをおこなえた。
「アイデア(学習から物語へ)」の実現度
ライフサイクルの入口に当たる「アイデア(学習から物語へ)」は、参加者が学習や調査等で得た情報等を、“誰かに伝えたいこと”として物語化し、アニメに置き換えるというアニメーテッドラーニングの重要部分ながら、今回は十分におこなえなかった。
◆自然災害による開催日時の短縮が影響した。
◆テーマは「豊島区を伝える」としたが、ファシリテーターから「豊島区」にこだわらなくても良いという意見がでた。「豊島区」という漠然としたテーマを物語化することに抵抗感があり、「難しいのでは?」という意見であった。
◆企画最早期には、豊島区の人々の暮らしや文化、社会、歴史に詳しい方を“語り部”として招くとか、参加者が豊島区の名所等を見学視察するといったアイデアがあったが、見送った。アニメーテッドラーニングでは、学習と調査、そして話し合いでテーマを深める時間と場所、ゲスト講師や補助教員等と再認識した。
◆テーマに参加者が親しみやすいことやものを選ぶことは、参加者の注意関心をアニメ制作だけに向かわせない点で重要と感じる。学校であれば、授業で習ったことをテーマにしやすいが、課外活動や社会活動では、参加者募集段階からテーマ設定を分かりやすく、参加者がイメージしやすいとワークショップは成立しやすい。開催地で身近なこと、学習ニーズがある、視察可能であったり、詳しい人から話を聞けることやものを選ぶといったことに注意が必要。
簡易撮影台の実用性
身近な道具と無料アプリで、初心者コマ撮りアニメがつくれるという目的は果たした。初心者用の簡易撮影台の実用性がテストできた。市販のスチールシェルフは安価で、学習と保管のスペース、準備と撤収の時間が限られる学校等でも利用できるのではないか。
美術的なスキル
◆大学生チームはアニメ制作の経験者であった。年齢的にも、短い時間ながら、撮影法の探求、オブジェクトをつくる素材をいろいろと試すなど、意欲的であった。
◆子どもチームに1名コマ撮り体験者がいたが、他は初体験。オブジェクトの作成は、ファシリテーターと学生アシスタントが見本を見せると、トレースし真似てくれた。美術的スキルが高くない参加者が多い時は、真似できる見本や簡単な造作物を準備できるファシリテーター(アニメーター)の重要性を確認した。

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